〔 黒野 時音 side 〕___ ある週の金曜日 ___
( がらがら )
… まだ誰もいない , か …
ちょうどいい 今のうちに色々情報を整理しよう
最近 , 妙な手紙が届いた
俺はこの学校に通うにあたって , 近くの学生寮の部屋を借りて生活をしている
先日 , 学生寮のポストに 差出人不明の封筒が入れられていた
“ 青色の封筒 ”
見た目もそうだが , 何より内容が奇妙だった
「 自分を信じて。きっと未来は変わる 」
たった一行の , 短い文章
だけど , どこか心に響く , そんな手紙
平仮名と漢字の比率がはっきりした , わかりやすい文字
なぜか , 既視感があった
俺はそうは思わない
未来は , 世界は , 今この瞬間にも自らの未来を決定し続けている
一見それは , 自らの判断で決まっているように見える
だけど , きっと初めから決まっているのだ
未来は変わらない
誰にも変えられない
( がらがら )… また今度考えるか














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!