佐藤景瑚side
今日は純喜くんと2人で仕事。
楽屋でアンケートを進めてた純喜くんが話しかけてきた。
ボールペンを走らせてる純喜くん。
様子はいつもと何にも変わんないけど、言ってることだけ変。
11人に戻れたら、か。
やりたいことはいっぱいあるけどなぁ。
できるならもう1回、11人でドームに立ってみたい。
今度こそ最初から最後まで、たくさん笑って。
11人で活動できるのが理想だけど。
でも今は、そんな多くを望もうとは思えない。
汐恩と祥生に関しては、呼べば会えるし話せる。
時間を忘れて笑うことなんかいくらでもできる。
でも、碧海は……。
今は、笑って話すことはできない。
純喜くん、なんか変じゃない?笑
全然笑ってる場合でもない。
なんでそんな意味深なこと言うの。
結局なんかあるのは認めてくれた。
でも様子的に……そういう、こと、?
やっぱり何か、純喜くんも色々抱えてるのかな。
話してくれればいいのに。
……こんな状況で話す気になれないのもわかるけど。
そう言うと純喜くんはイヤホンを耳に挿した。
……言いたくないんだ。
じゃあまあ、仕方ないか。
11人でいたいって気持ちは当たり前にある。
でもその思いが強すぎて、今の状況が苦しくなって追い詰められているのは、碧海だけじゃない。
自分への影響の大きさが違うだけで、気持ちは毎日大きく揺らいでる。
スマホをいじる純喜くんの目が真っ黒。
……だめだよ、純喜くん。
1人で我慢しないで、もう誰のことも置いていかないで。
このときが、初めてだった。
11人じゃなくて、JO1自体が軋み始めっていることを感じたのは。
碧海、あんまり状態が良くないらしい。
詳しくは言われてないけど、瑠姫くんから連絡が来てた。
でもその瑠姫くんの文面ですら、ちょっと疲れてそうで。
紛れもない、瑠姫くんの弱音。
瑠姫くんが年下である俺にそんなこと言うなんて。
しんどいって言わないと大変なことになるのは瑠姫くんもわかってるから。
……だとしても。
このままじゃ、俺らみんな危ない。
11人でどころか、今残ってる8人でさえJO1ではいられなくなる気がする。
瑠姫くんといい純喜くんといい、もう限界なはず。
普段は上手いことストレスも疲労も消化してきてたメンバーなのに。
何年も何年も溜め続けてたものが今、心から溢れ始めてる。
……どうしよう。
どうしたらいいんだろう。
とりあえず奨くんと蓮くんに話さないと。
純喜くんも瑠姫くんもしんどそうだから休ませないとって。
でも……休ませたら、どんどん苦しくなる。
残るメンバーがつらくなるだけ。
どうするべき?
どうしたらみんな笑ってくれる?
……やっぱり11人に戻るしか、ないのかなぁ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!