[てつや視点]
最近あなたのタバコの本数が増えた。
タバコを吸ってると公表したこともあるだろうし、仕事のこともあるのだろう。
夏と冬の新作はフランスの本社での打ち合わせ、発表ということもあり、忙しい中会う時間を作ってくれた。
だから俺も合わせるために編集も頑張ったしイベント後でも会えそうなら、車で向かってそのまま東京に残って朝帰ったりしていた。
元々細いけど少し痩せたように感じて、ついこんな事を言ってしまった。
てつや「仕事、忙しいんでしょ?もし休みたいならたまに1人の時間作ってもいいんだよ。」
あなたは少しだけ驚いた顔をした後に寂しそうな顔をした。
「そうだよね、」
それだけ言って、PCに目を向けた。
言っちゃいけない事だったかな、もしあなたが俺と同じように会いたくて無理をしてでも会ってくれていて、癒しの時間だと思ってくれているのならきっと傷付くだろうと思った。
てつや「俺は会いたいけど、やつれてたりタバコの本数増えてるの見るのは辛いよ。」
隣に座り直してそういうと少しだけ笑って、
あなた「私も、会いたいの。」
そう言った。
てつや「じゃあ、無理して。会って。癒す、今日はご飯俺作るから。」
あなた「それは絶対嫌。てつやさんのご飯怖すぎるもん。」
とても真面目な顔で言うから笑ってしまった。
てつや「レシピ見たらいけるよ!いつもは直感というか…もはや色だけで考えて作ってるから!しばゆーより全然いい!」
久々に顔が赤くなるまで笑うあなたちゃんを見た。
あなた「てつやさんがYouTuberなおかげで離れてても動画を見ると楽しくて疲れも吹っ飛ぶなぁ。」
そう言われた事を思い出して今日も仕事を頑張ろうと思えた。
作ったオムライスは少し焦げたしお世辞にも美味しいとは思えなかったけどあなたちゃんは笑いながら今までで1番美味しいよ、と言ってくれた。
この笑顔だけで一年は頑張れる。
あなたちゃんも同じように思ってくれてるといいな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。