第49話

奴隷の印
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2024/12/02 15:12 更新
身体の芯が冷えていく感覚

と同時に震えが止まらなくなる
周りの視界が霞む

あれほど騒がしかった酒場も、恐ろしいほどに静まり返っている
いや、静まり返っているのではない

現に目の前のショッピくんは口を動かしている

自分自身が全ての情報を閉ざしてしまっているのだ
(なまえ)
あなた
あ、、、あ、、、!!??
奴隷商
やっぱり、お前黒犬だな?あまりにも見違えたから分からなかったが、おれの審美眼もまだ衰えちゃいねえな。
目の前の男は気持ちの悪い笑みを浮かべる
奴隷商
あのババアに乗せられてまたこの国に来たのはいいが、あまりにも退屈なんでとんずらしようとしてたんだ。なのにこんなところでいいもん拾っちまうとはな?
(なまえ)
あなた
、、、っ!?
男はあなたの手首を掴む

あなたは抵抗できずに立ち尽くす
鬱先生
おい、お前何あなたちゃんに手ぇ出してんねんコラ。
奴隷商
あぁ?
そこに鬱先生があなたと男の間に割り込む
奴隷商
誰だお前。この犬の今の飼い主か?
鬱先生
あぁ!?あなたちゃんのこと今お前なんていった!?
奴隷商
はははっ!そうかそうか、名前までつけてるたぁ相当可愛がられてるご様子。
(なまえ)
あなた
、、、。
鬱先生があなたを振り返る

しかし、あなたは感情を失った瞳をしている
鬱先生
お前、あなたちゃんのなんなんや。
奴隷商
おれかい?おれはその犬の元飼い主さ。昔、ちょっとした手違いで離れ離れになっちまってなぁ。
チーノ
ふん!何が元飼い主や!まともじゃない匂いがぷんぷんしてるんだよ!!
奴隷商
そうか?そいつは案外、俺についてくる気がありそうだけどな。
男は鬱先生の肩越しにあなたを見る

あなたはびくりと肩を振るわせると、割り込んでいた鬱先生を手で退かす
鬱先生
あなたちゃん、、、?
(なまえ)
あなた
わたし、わたしは、、、。
ショッピ
あなたさん!!!ダメっすよ!!!
ショッピの呼びかけも虚しく、あなたは男に跪く
奴隷商
くくくっ、ほらな?小さい頃からこいつを躾けてた俺は、こいつにとって特別なんだよ。
(なまえ)
あなた
、、、。
鬱先生
てめぇ、、、!
奴隷商
それじゃあ、悪いけどこいつはもらってくぜ?元々俺のものだからな。
男は跪くあなたの額に手をかざす

あなたの額が淡く光ると、そこに「❌」が浮かび上がる
奴隷商
やっぱり、ちゃんと残ってたな?俺の〝印〟がよ。
(なまえ)
あなた
、、、。
チーノ
なんやそれ、、、?
ショッピ
もしかして、
鬱先生
〝服従の呪い〟、、、!?
奴隷商
じゃあな、〝元飼い主さん〟達よ。
男は気持ちの悪い笑みを浮かべると、酒場から出て行く

後を追うようにあなたも立ち上がる
鬱先生
ちょ、待ってやあなたちゃん!!!
(なまえ)
あなた
、、、。
鬱先生の声掛けにも全く反応しないあなた

慌てて引き止めるように手首を掴む鬱先生
鬱先生
なぁっ!聞こえてるんやろ!?
鬱先生の言葉に、あなたはゆっくりと振り向く

その瞳は一切の光がない
(なまえ)
あなた
ご主人様、絶対。
鬱先生
ーっ!?
チーノ
あなたちゃん!!!
あなたは鬱先生の手を振り払うと、男の後を追うように店を出る
ショッピ
大先生!!すぐにみんなに連絡せな!!!
鬱先生
あなたちゃん、、、。
チーノ
落ち込んでる場合じゃないやろ!ロボロに連絡取るから、ショッピはあなたちゃんを追って!
ショッピ
わかった!!!頼んだで!
ショッピはあなたの後を追うため、急いで店を出る
店に残された鬱先生とチーノは、あなたが何者かに連れ去られた旨を皆へと伝える
ロボロ
わかった、すぐ向かわせる。
チーノ
ショッピが後を追ったから、あとはそっちと連携とって!
鬱先生
あの男、あなたちゃんと面識があるみたいやった。話の内容から察するに、元奴隷商や。
ロボロ
、、、なんやて?
鬱先生
ほぼ間違いないと思う。そんで、あの額のマーク。
鬱先生とチーノは、あなたの額に現れた印をロボロに伝える
ロボロ
「❌」の印、、、。
鬱先生
あれはおそらく、闇の魔法。俺も文献でしか見たことないけど、奴隷に使う魔法のひとつや。「❌」付けられた人間は、自分のご主人に逆らえず、感情すらも失う。
ロボロ
、、、くそっ!!!
ロボロの悪態が、天の声でつながっている鬱先生とチーノの頭に響く

2人はロボロになんて声をかけていいのかもわからず、ただ黙ることしかできないのであったー

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