孤爪side
あー、全然疲れ取れてない。
まだ寝たい。明日も練習だなんて考えられない。
熱出る…。だるい。眠たい。
いつもより重い身体を引きずり、なんとか練習に参加した。
しかし、いつもより動きにキレがなかった。
昨日とほとんど同じメニューをこなしたはずなのに、いつもよりかなりといっていいほど疲れている。
早く風呂に入りたい。
何ならそのまま寝てしまいそうだ。
まあ、今夜は決着をつける日だけどね…。
携帯を開くと、もうすでに国見は門外にいるようだった。
それじゃあ、おれも外に向かうとするか。
や、夜久さん…?
どうしたんだろう。
おれに用があるなんて珍しい。
なら、せめて他のメンバーに遅れる旨を伝えないと……。
そう思い、携帯を取り出したが、夜久さんはそれすら許さなかった。
仕方なく携帯をしまい、夜久さんについていく。
早く終わることを祈るのみである。
言われた部屋に入ると、
この後、校門で集合するはずだった2人がいた。
そのまま、おれ達は並んで正座させられる。
地獄の質問攻めが始まった。
やはり、おれ達が一昨日から夜抜け出していたことはバレていたのか。
質問の内容も、そのことについてだった。
駄目だ。
もう言い返せない。
もっと警戒していけばよかった。
合宿中の抜け出しは普通に違反行為なのだ。
何を言っても納得してもらえるとは思えない。
すごい、つらつらと言い訳が出てくる。
流石リーダー。
こういう時の頭の回転が早い。
中学時代も京治のおかげで特にお咎めを食らうこともなく、過ごしていたのだ。
おれ達を呼び出した三人も、納得した雰囲気だ。
京治が一瞬こちらを見た。
恐らく謝れという合図だろう。
こういうのは素直に従っておくに限る。
そのままおれ達は部屋に返された。
せめて、国見に連絡だけしておこうと思ったが、携帯を使うことすら禁止されてしまった。
仕方ない、国見にはおれ達が来れないことを察して帰ってくれると信じよう。





















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。