第16話

16話 お前が好きだ
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2025/02/25 03:49 更新
涼太を抱きかかえたまま、俺は焦りながら家へと急いだ。
腕の中の体は思ったより軽くて、だけどひどく熱かった。

「なんで無理してんだよ……」

胸がざわつく。
昨日のことを話したくて会ったのは俺のほうなのに、
涼太はきっと、無理してここに来たんだろう。

もっと早く気づいてやればよかった。
……違う、もっと前から、俺はこいつのことをちゃんと見てやるべきだった。

***

家に着くと、涼太をベッドに寝かせた。
額に触れると、熱が引く気配はない。

(これはもう、病院連れてったほうがいいか……)

悩んでいると、涼太が薄く目を開けた。

「……翔太?」

「起きたか」

「……ここ、翔太の家?」

「お前が倒れたから、運んだんだよ」

「……ごめん」

涼太は申し訳なさそうに眉を寄せる。

「……謝るな」

「でも……」

「なんで俺に隠す、、?」

「……え?」

「前から思ってた。たまにしんどそうなのに、無理して笑ってるし……。今日だって、体調悪いなら言えよ」

俺の言葉に、涼太がはっと息をのむ。

「……言えなかったんじゃなくて、言いたくなかった」

「なんで?」

「……翔太には、心配かけたくなかったから」

その言葉に、胸が締め付けられる。

「バカかよ……」

涼太は俺のことを考えて、隠してたんだ。
俺のほうこそ、涼太の気持ちなんて考えてなかったのに。

「……なあ、涼太」

「ん……?」

「俺、お前が好きだ」

「……え」

「もう、言い訳しねぇ」

涼太が大きく目を見開く。

「昨日、お前にキスしたのは、酔った勢いとかじゃねぇよ」

「……」

「俺、お前が他の誰かのものになるとか、耐えられねぇんだよ」

涼太は驚いたまま、じっと俺を見つめていた。

「……翔太、俺のこと……本当に?」

「本当だ」

涼太が一瞬、目を伏せる。

「俺……翔太のこと、大事な友達だって思ってた。でも……最近、それだけじゃない気がしてて……」

「……」

「翔太にキスされたとき、すごく驚いたけど、嫌じゃなかった」

「……それ、つまり……」

「わかんない。でも、翔太がそう言ってくれるなら……俺も、もっとちゃんと考えたい」

俺は涼太の手をそっと握る。

「じゃあ、俺のそばにいてくれ」

「……うん」

涼太は少し照れたように笑った。

(……もう、こいつを離すつもりはねぇからな)

俺はそっと、涼太の髪を撫でた。

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