急にゾムがそんなことを言い出すから、俺は断ることができひんかった。
あんな真面目な顔されたら、断れるわけないやん?
だから、俺は……
素直に送り出した。
使命感に駆られたゾムは足音も立てずに俺の目の前から消えて、俺は1人で歩き出した。
送り出したとは言え、ゾムが居なくなって1人での探索やからちょっと寂しい。
さっきも1人で探索しとったから、なんか余計怖なってきた。
けど、俺はらだ男先生と遭遇する気はこれっぽっちもしない。
そう、しないはずやった。
こいつが来るまでは。
こいつは絵斗兄さんと二人で行動しとったはずや
だから今この場に一人でいるのはおかしいはず……。
そう言い出すと鬱先生はさっきあったことをかくかくしかじかで説明してくれた。(#.18を参照)
なかなかな怪文を聞かされるが、そのつづきはしらないらしい。すぐに逃げろと言われたらしいねんな
行かなきゃ行けないところ、それは恐らく絵斗兄さんのところやろうと勘がニブい俺でもわかる。
あいつはなんせ鳥井の血を継いどるからな!!
戌亥の血を継ぐ絵斗兄さんのとこ行かなあかんねやったら納得もできるしな
全員が飼育小屋に送られてしまうと、GAME OVER。
その事態はなるべく避けたかった。
というより避けなければならないことだ。
ひとまず探索を後回しにして
俺たちは階段を降りていく。
俺の前を歩いていた鬱が、刀によって切られる。
初めに見た時は鎌だった武器がいつの間にか刀に変わっとる、……?
子供のような無邪気な笑顔が、俺には恐ろしい顔にしか見えなかった。
振り下ろされた刀をスライディングしてよけ、階段を三段飛ばしで降りていく。
再び後ろを振り返った時、俺はらだ男先生に刀で体を切られた。
そう呑気な声を上げているが、2人が死んだらGAME OVERだ。
死ぬなよ、絶対助けに来いよ
そう祈りを捧げても、それが通じるかどうかは定かじゃない。
俺達ふたりは、目の前の光景を信じられなくて固まる。
まだ鬱だけならええかって
そう思ったんが間違いやったな
ここに来るなり土下座でもしそうな勢いで頭を下げるシッマ。
つまり俺たちは全員死んでしまったということ。
刑事が本気で焦った顔をしだしたので、切り札もクソもないということが分かる。
そう嘆いていると、目の前からゆっくりと歩いてくる1人の男がいた。
青い帽子をかぶって、顔や服に返り血が付いているあの先生が……
俺たちに嘲笑を向けてきた。








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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。