返事は返ってこない。部屋も真っ暗。
残業で夜中に帰ってくる私は意識が遠のけていく中、ふらついた脚で靴を脱ぎ寝室へと向かう。
そっと寝室のドアを開けベッドを確認すると、布団が上下に動いているのが見える。
2年前に大学時代の友達に紹介され付き合った彼氏。
付き合いたての頃は夜遅くに帰ってくる私に晩御飯を作り、お風呂を沸かして待っていてくれたのだが、最近はなにもせずに先に寝てしまう。して貰えていただけありがたいと思うべきなのだろうか、それともこれが倦怠期なのだろうか、と思いながら寝室のドアを閉める。
私は軽く晩御飯とお風呂を済ませ、洗濯機を回し彼の隣に横になる。
そう言って彼はまた眠りについてしまった。どこのカップルもこんな感じなのかなと思いつつ私も目を閉じた。
翌日
けたたましくアラームが鳴り目が覚める。
いつもは出勤前に彼氏を起こしてから行くのだが、今日は珍しく彼氏の方が先に起きたらしい。
不思議に思いながらも深く追求はせず、重い身体を起こし出勤の準備をする。
外は雨が降り始めていた。
微かに冷たい風も吹いてきて何か嫌な予感を感じながら歩き始める。
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@ri_osa_mu 様


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!