イブくんと初めての待ち合わせです!
というか、人の多い場所で、
だれかと待ち合わせることが初めて!
いつも友達の家に一旦集まってから、とか。
洋平と待ち合わせもするけど、
基本的に洋平が先に来ててくれるし、
遅れてもすぐに来るから、
「待つ」ってことが新鮮だ。
なんか、そわそわしちゃう。
この人の多い中で、
イブくんは私を見つけてくれるのかな?
見つけてくれた時、どんな顔するんだろう。
まだ見ぬイブくんに出会えるかもしれないと思うと、
どうしたって鼓動は速くなった。
激しく動く胸を押さえるように立っていたら、
なにかの影で覆われる。
困っているのなら、助けてあげなきゃ、
とは思う。思うんだけど……。
なんだろう、この違和感は。
対応に思いをめぐらせていると、
両肩にどしんと重みを感じて、
一瞬、ヒヤッとした……のもつかの間。
背後に立つその人物から、
嗅ぎなれた匂いがしたのを察知して、
私は変な緊張から解き放たれる。
落し物をして困っていると言っていたはずのその人は、
舌打ちを残していなくなった。
状況の説明をしたはずなのだけれど、
イブくんが……、キョトンとしてる。
……なにかおかしいとこあったかな?
私が首を傾げると、
両肩にあった手は片手になり、
イブくんは笑顔で私の頭を撫でた。
そして、ゆっくりと目を合わせて話し出す。
……肩を組まれたままの距離に、
勝手にドキドキしたのは、内緒。
感じていた違和感は、それだ!
探したいなら、私だけじゃなくて色んな人に
手伝ってもらいたいだろう。
なのに、私にだけ言ってきたから……、
だから変な感じがしてたんだ。
あれ、イブくんに笑われてる?
……おかしなことは言ってなくない?
頷く私に、イブくんは、
すごく優しい顔で頭を撫でてきて、
諭すように、ゆっくりと。
まるで小さい子に教えるみたいに
イブくんは私に話してくれた。
私は大きく頷いて、理解したことをイブくんに伝える。
「一応洋平に礼でも言っとくかー」
とイブくんは呟いてから、
肩に回していた手をおろし、私の手を握った。
慌てる私の耳元に口を寄せたイブくんは、
と、私が溶けることを囁いた。
🄴🄽🄳
【ひとこと】
溶けた。
私がw
イブくんがなんか……すごく甘い人になってるんです。
なんでですかね……。
優しく喋ってるの見てると、
なんかもう、たまらんのよ!
さらっとね、「俺のなんで」って
イブくんは言ってくれるかなって思います。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!