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第1話

「飽和スーサイド!」♣️×♦️
39
2026/04/04 10:06 更新
⚠️諸注意

「あの夏が飽和する。」 曲パロ

・明るいケイトはいません
・死ネタ
・キャラ崩壊してるかも
・トレイがちょっと自己中…?
・多分誰も報われてない
・若干のメタ要素あり
・いくつか捏造設定あり

・7章を読み終わった後に読むことをお勧めします

大きなカプ要素はありません。
♦️→(←←←←←←←←)♣️
的な関係だと思っておいてください。
賢者の島・ナイトレイブンカレッジ
トレイの部屋にて
 
♦️
♦️
オレ、昨日…人殺しちゃったんだよね
 
ただ、震えながらそう言った。
梅雨時だというのに、傘もささず外出したのだろう。
ずぶ濡れのまま、タオルをかぶって
ドロドロのメイクもそのままに泣きながらベッドに座っていた。
 
夏は始まったばかり。それなのに、
ケイトは、酷く震えていた。
 
♣️
♣️
誰を、殺したんだ?
トレイの問いかけに、彼はしっかり答えてくれた。
 
 
♦️
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オレはもうここには居られないと思う。
だから、遠いところで死んでくるよ。
 
そう言い終わって、トレイは言った。
♣️
♣️
ケイトが1人で死ぬなんて
俺は耐えきれない。
俺も連れて行ってくれよ。
 
カバンには、財布、ナイフ、携帯ゲームに新品の歯ブラシ。
それと、寮服で飾られた2人の写真。
たくさんのものが詰め込まれた。
 
♣️
♣️
いらないものは全部壊して、捨ててしまおう
トレイはそう言って、写真、日記、いつかのオフ会でファンに貰った時計。たくさんのものを壊した。
ゴミ袋はどんどん大きく膨らんだ。

ケイトのマジカメアカウントも消そうとしたが、
流石にそれはやめさせた。
代わりに、他の人と写っている写真や自分ががっつり写っている投稿は削除した。
 
♦️
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人殺しのオレと、副寮長を投げ出すダメ人間のトレイ…。2人だけの旅だね
ケイトは、いつもからは考えられない暗い顔で、そうつぶやいた。そして、顔を上げて苦笑いを浮かべた。
 
 
2人だけの、逃避行だ。
 
そして彼らは逃げ出した。
外出届も出さず、誰にも何も言わずに、狭い学園から飛び出して行った。
 
ケーキ屋を今も営んでいるトレイの母も、
仲良くしてくれたカリムやリリアにジェイドも、
RSAでのびのび暮らしているチェーニャも。

何もかも、捨てた。
 
♣️
♣️
俺とケイトだけ。2人で、誰にも知られずに死んでしまおう
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リドルにだって、学園長だってわからない俺たちだけの居場所で死のう。
 
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もう、この世界に価値なんてないからな…。
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あは、人殺しなんて…そこらじゅうにいるもんね。。。
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そうだ。ケイトは何も悪くない。
 
♣️
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お前は、悪くない。むしろ被害者なんだ。
 
 
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マジカメではあんなに褒められてたオレも、結局愛されてない人間なんだね。神様って無情…。
♣️
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共感するよ、ケイト。俺だってただ顎で使われるだけの置物副寮長だったからな
 
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………
 
♣️
♣️
ケイト?
トレイは、優しくケイトの手を握った。

その時はもう、寮を出る前の震えもなくなっていた。
誰にも見られず、女王の法律にも縛られない。
そんな空間で、2人の影は線路の上で背を伸ばした。
 
♣️
♣️
(金だって盗める。俺とケイトなら、何処までも行ける。
嘆きの島にだって、のばら城のど真ん中にだって)
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(もう、怖いものなんてないのかもね)
 
落としてしまったトレイの予備用メガネも、
額から溢れてスートのマークを濁す汗も、

彼らにはもう関係ない。
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最初出て行った時はすごくハラハラしたけど、今となってはどうでも良くなっちゃった。
 
そうやって、ケイトは汚れた顔で笑った。
 
3年生になってすぐ出会ったエーデュースコンビみたいな、明るくて面白くて、みんなに好かれるような性格の人間だったら自分も好かれたのか?

「パリピで明るい寮長の左腕」じゃなくて、「ケイト・ダイヤモンド」として。
「頼れる優しい寮長の右腕」じゃなくて、「トレイ・クローバー」として。
寮生たちは自分達のことを慕ってくれていたのか?

そんな事を、何度考えたことか。
 
しかし、もうどうやったって叶わない。
寮を出る前だってそんなの夢のまた夢である。
 
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好かれたいなんて、そんな思いとっくのとうに捨てたよ。
 
 
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監督生ちゃんから聞いたの。
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みんなが憧れてるグレートセブンって、
監督世ちゃんの世界での、本当の物語では「ヴィラン」って呼ばれる悪役なんだって。
 
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悪役ヴィランは一生「嫌われ者」だって話がしたいのか?
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……大正解。
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それで、現実を見てみたんだ。
 
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「シアワセ」は、いつもプリンス、プリンセスの元へ走る。
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VDCでは純粋な心だけで挑んだネージュ君は、嫉妬を孕んで挑んだヴィルくんをよそに優勝した。
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何をしてでもマレウスくんに勝ちたいと思っていた妬みを抱えたレオナくんは、なんの悪意もないマレウスくんに呆気なく敗北した。
 
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そんなことを、人生で何回経験したことか。
それで、よく思い出したよ。
 
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でも、みんな「自分は悪くない」って思ってる。
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それで、自分は悪くないのに…って混乱して、オーバーブロットしちゃった人もいる。
 
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アイツだって、きっと、ちょっかいかけてたら急にキレて殺されたって思ってるよ。
 
 
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もう、本当にクソだよね、この世界捻れて歪んだ世界ってさぁ。
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♦️
最初から、俺たちが報われないのは決まってる結末だったのかもね……?
それからも、2人で歩き続けた。


蝉が騒いで眠れなかった夜も、

水が尽きて相手の顔が歪んで見えたあの日も、

万引きをしてしまったせいで怒られ、追いかけまわされたあの日も。
2人で乗り越えてきた。
 
何週間目かの夜、森の奥で2人で暖をとっているとき、ケイトはごそごそと鞄を漁り出した。
 
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♦️
……………ありがと、トレイ。オレは、1人じゃここまで来れなかったよ。
 
♣️
♣️
ケ、ケイト…?
突然の言葉に、トレイは困惑するしかなかった。
だがしかし、ケイトが首にナイフを当てた瞬間、全てを悟った。
 
♦️
♦️
ごめんね、トレイ
でも、死ぬのはオレ1人でいいの。トレイは副寮長の仕事があるでしょ?
それに、人を殺したのはオレだけ。トレイまで死ぬなんてオレが許せないよ。
 
赤い鮮血が、飛び散った。
♣️
♣️
ケイト……………!
もう、遅かった。
ペンキを塗ったばかり薔薇のような艶のある赤が、地面を潤し、そして汚していく。
そこには、赤い服を身に纏うケイトが横たわっていた。

シャツの色は、柄じゃなかった。全てが血液だった。
トレイは、視界がくらくらした。まるで、白昼夢を見ているよう。
 
ケイトは、原型を留めていないスートと共に眠った。
トレイは気付くと、灰色の壁に囲まれていた。
警察署だった。
♣️
♣️
ケイト……。
彼の隣に、ケイトはいなかった。
ケイトだけが、その空間から除外されていた。
存在が、なくなっていた。
 
♣️
♣️
ケイト…………ッッ
見開かれたトレイの瞳からは、ぼたぼたと涙がこぼれ落ちた。
 
 
 
トレイは、ケイトのことが好きだった。
1年生の頃から仲良くしてくれて、一緒にマジカメにも映った。
 
しかし、
勘違いだったのだ。
 
ケイトは、皆に同じことをしていた。
皆に話しかけ、仲良くして、マジカメを撮った。

だから、マジカメアカウントはたくさんの写真で溢れていた。
 

 
♣️
♣️
(量産した薄っぺらい友情なんて、
すぐ捨ててしまえばいい……と…?)
 
♣️
♣️
(好きなのは、俺だけだったのか)
♣️
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(あいつの「好き」なんて、薄っぺらいものだったんだ)
 
 
♣️
♣️
期待して、舞い上がっていたのは、俺だけだったんだな、
 
トレイの独り言は、無機質な壁に吸い込まれていった。
 
 
そして、時は過ぎた。
ケイトが死んでからも、学園生活は続いた。
トレイは、職務放棄をしたから、と平寮生にされた。
今のハーツラビュル寮には「パリピで明るい寮長の左腕」も、「頼れる優しい寮長の右腕」もいない。
 
そこには、ただ、仕事を放棄した3年生のクローバー兵だけがいた。
 
トレイの元にはまだケーキを作り続けている家族も、
RSAで小人と遊ぶ幼馴染のチェーニャも、
トレイこっぴどく叱ったとはいえやはり心配しているリドル寮長もいる。
ケイトだけが、日常から姿を消した。
ケイトがゴーストとして出てくることもなかった。
ダイヤモンドの兵が、1人減った。周りの人からすれば、それだけだった。
 
 
〜♣️side〜
俺があれからケイトのことを考えない日はなかった。
目の前で散った飛沫と全て割り切った顔のケイト。
あの景色は、今も脳裏にこびりついて離れない。
 
4年生になり色々な企業に行くことになった。
忙しい研修の時間も、よくあの日を思い出す。
ずっと、ケイトのいつもの笑顔と最期の笑顔が頭の中をぐるぐるしている。
俺の頭の中はとっくに飽和してしまっている。
 
ケイトがゴーストとして現れない。
この世に未練はない、ということなのか?
未練があるのは、俺だけなのか?
 
 
 
♣️
♣️
最期にでも、伝えたかった……。
 
 
♣️
♣️
俺は、ずっとケイトのことが好きだったぞ…。
 
 
 
お前は、ケイトは、本当は別の言葉が欲しかったんだろう?
ケイトは悪くない。
それに、誰も悪くない。だから、

もういいよ、投げ出してしまおう。

全部、俺が薔薇で上書きドゥードゥル・スートしてやるから。

投げ出してしまおう。ここまでよく頑張ったな。
 
そんな言葉をかけて欲しかったんだろう?
 
♣️
♣️
なあ、
♣️
♣️
ケイト……。俺が好きだった、ケイト・ダイヤモンド………。
 
♣️
♣️
ごめんな……。守れなくて。
 
俺は1つくしゃみをして、ジャケットを羽織って外へ出た。
後書き
こんにちは。初めまして。凪月なつきと申します。
見てくださった方、ありがとうございます。

初作品が死ネタ&曲パロの3000文字越え作品になるとは思いませんでした。
3日ぐらいかかりましたね。

こんな感じで気が向いたときに思いついたものを永遠に書き連ねていくタイプで、チェーニャとかフロイド並に気分屋な私ですが、更新されたときに「こいつが投稿なんて珍しー、見てみよ」みたいなノリで見てくれるととても嬉しいです。

特別文才があるわけでもなく、若干のキャラ崩壊をさせてしまう私ですが、末長くよろしくお願いいたします…。
カンザキイオリさんは個人的に好きな方なのでまた曲パロが上がるかもしれないですね。
曲パロは「曲」という軸があるので書きやすいんですよねぇ。
まあ、曲パロでも普通にシチュエーションでもリクエストがありましたらコメントにでも書いてください。

ちょっと自我を出し過ぎました。作者の自我がダメなタイプな人、ごめんなさい。
今回だけは許してください。
 
流石に私の話を聞くのも飽きたと思うので、この辺りで終わらせましょう。

では、さようなら。また、何処かのチャプターで会いましょう。
毎回後書きを書くわけではないと思うので。

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