第4話

#3
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2026/01/24 03:02 更新




2017.12.10.




たくさんのファン "ARMY"
その波の中に、あなたの下の名前はいた。

座席は2階席。
隣をふと見ると、ドジュンオッパも少し緊張しているのが分かる。
いつも落ち着いている横顔が、今日はほんの少しだけ硬かった。


暗転。
その瞬間、会場の空気が変わる。



あなたの下の名前の世界は、一瞬にして"紫"に染まった。



ずっと画面の中で見ていた7人が、そこにいる。
歌って、踊って、光の中心で生きている。

夢みたいで、でも確かに現実で。
時間は指の隙間から零れるみたいに、あっという間に過ぎていった。


そして、最後のメント。

涙を拭うメンバーもいて、会場は静かに揺れていた。
その中で、あなたの下の名前の心にまっすぐ届いたのは、リーダーRMの声だった。


rm
  本当に、過去の僕達にさよならを言  
うときが来たようです
rm
  デビューするとき、怖かったです  
失敗するんじゃないかって...
rm
  でも、忘れたくないんです  
rm
  過去の僕達も、全部
それも僕達の"一部"だから



一言一言が、ゆっくりと落ちてくる。

紫の光が、静かに揺れていた。


rm
  これからも必ず辛いことはあります  
試練もあるでしょう
rm
  だけど...もう知っています  
rm
  こんなにたくさんの人々が、僕達を信じ  
て、好きでいてくれることをよく知って
いるんです
rm
  だから、辛いけど辛くはなくて、悲しく  
ても悲しくなくて、怖いけど怖くはない
んです、防弾少年団は



"過去"

それはあなたの下の名前にとって、目を背けたくなるほどの辛い記憶。
それでも、それさえも"自分の一部"だと、そう言われた気がした。


rm
  皆さんの夢...夢じゃなくてもいいです  
rm
  皆さんの人生の中で、僕たちの音楽やス  
テージが、痛みを100から99、98にでき
るなら、それで僕達の存在の価値は充分
です
rm
  本当に、愛しています  

あなた
  ( ...わたしの、夢 )  



その瞬間、あなたの下の名前ははっきりと思い出した。

小さい頃。
歌うたびに、オンマとアッパがたくさんたくさん褒めてくれたこと。

「 あなたの下の名前は、いつかアイドルになるのかな?」

オンマが、優しくそう言ってくれた声。


忘れかけていた夢。
忘れたふりをしていただけの夢。


あなたの下の名前の心の片隅には、それはまだ、こんなにも大切に残っていたのに。


紫の海の中で、胸いっぱいに広がっていく。

"アイドル愛されること"が。
ただ、心の底から、羨ましかった。



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