美術、終了。
あなたの机の上。
りんご(?)と瓶(?)。
みれい「……味あるよ」
あなた「それフォローになってない」
先生「提出して帰っていいぞー」
ざわざわ。
みんな立ち上がる。
あなた、そっと紙を伏せる。
見られたくない。
なのに。
ガタン。
ドアが開く
じんと。
無言で、あなたの机の前に立つ。
あなた「……なに」
じんと、紙をめくる。
一瞬、沈黙。
あなた「見ないで!」
じん、じっと見る。
近い。
真剣。
あなた「下手でしょ」
じん「……」
じゅう、後ろから覗く。
じゅう「……すごい」
わかな「どこが!?」
だいちも来る。
だいち「ぶはっ」
はやと「笑うな」
しゅんた「独特やなぁ」
だいち「りんご爆発してへん?」
あなた「もうやだ!!」
顔真っ赤。
そのとき。
じんと、ぽつり。
じんと「好き」
全員止まる。
あなた「……は?」
じんと「上手いとかじゃない」
静かに紙を見る。
じんと「あなたっぽい」
心臓、ドクン。
はやと「……甘」
だいち「急にどうした」
じゅう、無表情。
じゅう「俺も嫌いじゃない」
しゅんた「なんやこの空気」
あなた「バカにしてる?」
じんと、首振る。
じんと「してない」
少しだけ目細める。
じんと「これ描いてるときの顔」
あなた「え」
じん「想像出来る」
……え?
じゅう、ぽつり。
じゅう「じんとずっと上の空だった」
はやと「お前もな」
目線ぶつかる。
バチ。
だいち「三角どころちゃうやん」
みれい小声。
みれい「尊い」
あなた、ぐしゃぐしゃに紙持つ。
あなた「もう知らない!」
でも。
ちょっとだけ。
嬉しい。
才能なくても。
笑われても。
ちゃんと見てくれる人がいる。
――守るだけじゃない。
ちゃんと、“見てる”。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。