第12話

#11
98
2025/11/22 03:58 更新
そこは山奥だった。
携帯電話は圏外。街灯も明かりも何も見当たらない。
ただ、何故か道が続いている。
真っ暗だ。車のライトを付けないと何も見えない。
しかし意外と近場ではあった。
近くは無いが、小一時間ほど。

適当に路上に止めるが、
なんだ、窓ガラスは割れ、書類は散乱し、
これはもうズラかった後か?
ミア・ラクストラ
こんな所、知りません私...
国内の地図にも乗っていなかったと、、、
🐱
だろうな。ま、そーゆーとこで
そーゆーこと。
🦀
荒らされてるとこから見て
何があったかは分からないけど
🦀
まぁ面倒事があったってことで
問題無さそうだね。
🐮
とりあえず中に入ろうか。
キヨが先頭で、レトさんが最後尾。
俺が真ん中で。
🦀
ん。いいと思う。
中は大層な荒れようだった。
椅子が散らかっていたり、
足の踏み場がないほど書類が散らかっていたり。
お世辞にも綺麗とは言いにくい。

色々な部屋を開けて回るが、
やはり普通のワクチンや交代の開発を行っているような
研究所にしか到底見ることはできない。
(時々荒らされていたせいか穴が空いているところもあった)
🐱
こっち。
キヨが指さす所は壁だった。
何も無い、ただ真っ白な壁。
少しそこから距離をとったかと思うと、
フッと常人では見えないであろうスピードで
回転蹴りを壁に食らわせる。

もちらん、バコォと音がして壁が砕けたのだが、
おかしな事に、その向かい側に部屋が現れたのだ。


キヨはスタスタと先を歩く。
ミア・ラクストラ
!!
ミア・ラクストラ
貴方!!
その部屋はコンクリートの壁で出来ていた。
これを破壊できる脚力は大いに尊敬しかない。

そしてその部屋の牢獄のような場所にいた男に向かって
ミアは呼びかける。
その男の首には、No.73βと書かれていて、
ミアが呼びかけても反応することは無い。
瞬きすることも無い。ただ、横を向いて椅子に座っている。

突然、ガシャァンと音がして、
研究所が少し揺れる。

ミアの旦那と見られる男は
その揺れだけで体が前に倒れると、
そのまま地面に崩れ落ちる。

もう既に事切れているのだ。
🦀
ミアさん、この人は、
ミア・ラクストラ
嫌、!嫌!!死んでない!!
まだっ...私は
私は、!この人と生きていくの!!
🐮
!!
瞬間、銃声が鳴り響き、
俺に向かって放たれる。
しまった完全に油断していた。

どこからだ、そうか。あいつか。
物陰に隠れていた研究員。
あいつがリボルバーを握りしめている。
🐮
"訂正リライト"
コツン、と自分の肩に銃弾が当たる。
が、無論何も無い。

俺の祝福は"性質の上書き"。
今、この鉛の銃弾を素材をスポンジとして訂正した。
まぁ、あと30秒後には元に戻るのだが。

正直言ってこの力はチートといっても良いだろう。
それゆえに、代償が重すぎるのだ。
今、訂正によって歪んだ時空を、
自分の身をもって支払わねばならない。
それを俺は"現実認識の摩耗"と呼ぶ。

少しずつ、感覚、思考、恐怖心、痛覚、
それらが消えてしまう。
少し経ったら治るものの、酷い時は
思考などろくに出来なくなる時もある。
だからあまり使いたくないのだ。
いつ何が消えるか分かったものではない。
俺は感情を初めとして....
俺は

誰だお前は。
俺は誰だ?誰だった?
1人では何も出来ないただのゴミ。
大層な過去も持っていない、
ただここに逃げ込んだだけの、


🐱
ごめんうっしー!!!
俺が完璧に油断してた!!!
🐱
使ったよな今!?
???
...あれ。

プリ小説オーディオドラマ