翔太side

ついに体育祭当日。
あれからあの人とは話せていない。

名前聞いときゃ良かったな…。

バスケ部だからやっとけって押されたリレー選手。
他にもいただろ…、陸上部とか…。

お、呼ばれた。

あー、緊張する…。

今俺のチーム負けてんだよな…。
しかも俺アンカーだし…。

アナウンスの声と同時に一走目が勢いよく走り出した。
周りの観客から応援の声を受けながら。

流石足が速い奴らなだけあって、俺の番までは然程時間はかからなかった。
一つ、運が悪いのは俺らのチームが最下位なこと。

前の奴からバトンを受け取り、俺は全力で走り出した。

……いやこれ無理だろ、追いつけねぇ。

あとちょっとなのに…

この写真は後に高校時代の宝物になる。

たった一枚の俺とあの子の写真。

終わり