千冬「全員集合!!」
これからの戦いの過酷さを伝えるように、冷たい風が頬を打つ。
おそらくこれまでの抗争とは比にならないほど、苦しい戦いになるだろう。
私の標的の竜胆は、大勢の不良を背にして堂々と立っている。
私のことはまだ見つけられていない模様。
眼鏡の度、上げた方がいいんじゃないかな。
拳を強く握っている青宗に耳打ちする。
あなた「ココを、お願い。」
蘭「おたくの隊長元気ぃ?」
竜胆「兄貴が有名だとお互い大変だな。」
八戒とアングリーくんを煽っている灰谷兄弟を後ろから吹っ飛ばす。
あなた「わーたーしーもーまーぜーてーっ」
八戒「………………オエッ、」
あなた「八戒??」
決してナメていた訳じゃない。
恵とボコられた経験もあるし、何よりコイツら、人間じゃない。
でも、2対3で、アングリーくんと八戒で、こんな一方的な展開になるなんて思わなかった。
竜胆「首の骨折ってやるよ!」
私の強みはすばしっこさと身軽さ。
竜胆の動きはかわせるのだ。
蘭「いただきぃ!」
でも、次に来る蘭の攻撃をモロにくらってしまう。
あなた「くっっそっ、」
竜胆「コイツらコンビネーションゼロだな。」
もうほとんど機能しない脳みそで思う。
「「「恵/スマイリー/柚葉ならわかってくれるのに。」」」
……………………ん?
千冬「やっぱりあの3人はヤベェ…。」
千冬「末っ子だからこそ甘やかされて育ったダメなところを全部持ってる3人!!」
………………………………………はい?
千冬の後ろでムスッとしているモッチーと目が合う。
かまってやれよ千冬。
ゴリラがかわいそうじゃん。
そのままモッチーとにらめっこをしていると、急にお腹に衝撃が走る。
蘭「今度は兄貴連れてこい!」
竜胆「兄貴の陰に隠れとけ。」
連れてこい、と聞いて露骨に嫌な顔をする恵が頭に浮かぶ。
恵のためにもコイツらは私達が潰す。
「「「俺ら、"末っ子同盟"じゃい!!」」」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。