第17話

過去編えと 決意
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2023/05/24 11:21
小さい頃から私は運動神経が良かった。

試合にも大会にも引っ張りだこで、休む時間が

無かったくらい。

そんな時、両親は私の事を一番に考えて動いてくれた。

それが本当に嬉しかったんだ。

二人はいつも夜遅くまで働いている。

普通は疲れるでしょ?休みたいって思うよね。

なのに送り迎え、食事、家事を完璧にこなしている。

私の事を応援してくれるし、なによりカッコいい!!

そんな両親に憧れを抱いていた。
mob
ねぇ、何で昨日の試合来てくれなかったの?
えと
えと
昨日は休みだって…
mob
それでも普通は来るでしょ!?
何で予定表確認しなかったのよ!!
えと
えと
それはっ…!
mob
恵菜が来なかったから負けたんだよ…
せっかくインターハイに出れるチャンス
だったのに!!
私がいなかったら勝てない。

どういうこと?なんのつもりなの?

私はただ助っ人として部活を手伝ってあげてる

だけなんだよ?部員でもない、ただのお手伝いさん。

そんな人に戦いの勝敗を決めさせるの?

私の事をどう思ってるんだよ…

私だって自分の時間を作りたい!

友達と遊びたいし、好きな部活に入りたいし、

楽しく活動したいし!!なのに、なのにさっ………

あんたらは私にだけプレッシャーを掛けるんだ?

私にだけ任せるんだ?大した努力もしないくせに?

私がいなくなったら負けるくせに!!































もう、やめようかな。

誰かのために動くなんてアホみたいに思えてきた。

誰も私に期待なんてしていない。

良いように使われただけ。どうせ捨て駒だし…
じゃぱぱ
じゃぱぱ
そんなことない!!
初めて、部活以外の人と仲良くなれた気がする。

君は、君達は優しいね。太陽の人みたい…

凍り付いた私の心を溶かそうとする。

そんなさ、優しくされちゃったらさ…

全部、吐き出したくなっちゃうじゃん…?

人よりサバサバしているこの性格も受け入れてくれた。

どれだけ冷たく接してしまっても、離れないでくれた。

私の気持ちを肯定してくれた。

いつになっても、私の味方でいてくれた…

そこからかな。私の人生の逆転劇は。

私が医者になった理由は、心が弱ってる子達に

光を与えたいから。

人生は頑張れば追い風になるんだぞって、

背中を押してあげたいから。

自分に出来ることを精一杯やろう。

今度は絶対に負けない、自分の気持ちを大切に。

そして相手の心も大切に。

雪の結晶よりも繊細で、宝石よりも硬いそれを

守るために。

これが、私の決意だから。
じゃぱぱ
じゃぱぱ
えとさ~ん!!
えと
えと
なに?
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ヒロ君から手紙届いてたよ!!
えと
えと
マジか!もふ君は?
じゃぱぱ
じゃぱぱ
薬買いに行ってる。
えと
えと
先に読んじゃうかw。
じゃぱぱ
じゃぱぱ
だね!!
あの頃の気持ちを捨て去って正解だった。

もう、道を外したりしない。
過去編第三話はえとさんについてでした!

これは母から言われた言葉を元にして考えた話です。

「人に尽くせるのは、自分を犠牲に出来る人だけ」

らしいです。カッコいいな?

それでは次回、またお会いしましょう。

さようなら~!!

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