ピピピピッ ――
朝九時前 。
スマホが何度も震えて 、あなたの下の名前は 眠そうに目をこする 。
画面を見ると 、通知は全部 イアナからだった 。
昨日の約束は覚えていたのに 、思った以上に よく眠ってしまっていた 。
急いで支度を済ませ 、髪を整え 、バッグを持って 玄関を飛び出す 。
すると ――
家の前には 、自転車にまたがった イアナが満面の笑みで 手を振っていた 。
白いTシャツに デニムのショートパンツ 。
夏の日差しを浴びて笑う姿は 、本当に ひまわりみたいだった 。
二人は 自転車を押しながら 、海へ続く道を 歩き始めた 。
そう言いながらも 、イアナは 楽しそうに笑う 。
商店街を抜けると 、潮の香りが 少しずつ強くなってきた 。
目の前に広がる 青い海 。
どこまでも続く水平線 。
波の音 。
空には大きな入道雲 。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!