前の話
一覧へ
次の話

第1話

第1部 No.1
5
2024/02/23 10:53
加藤 春信
んー…疲れたなぁー
俺は60歳の一般男性だ
今日仕事を定年退職した
仕事から一気に解放されて楽になったが
かえって職場の人に気を使ってしまい疲れてしまったのだ
加藤 春信
明日からは永遠に休み…最高だな
…そういえば
今年でもう定年退職の60歳。
そろそろ…
加藤 春信
…遺書、とか考えたほうがいいのか
いやいや速すぎるか、いくらなんでも
でも今もしも、もしも死んだらきっと後悔しか残らない
まあ、一応だ
いずれは書くだろう
それが速まるだけだ
明日書こう
俺はやる気があるうちにやったほうがいい
そう思って眠りについた
具体的に何を書こうか
思いつかないから明日、考えよう、、










































突然、鋭い痛みがはしった
俺はわけがわからなかった
気がついた次の瞬間、俺はなにもない空感にいた
加藤 春信
どこだ…ここ
なにもないぞ
辺りを見渡しても、なにも、ない
加藤 春信
とりあえず歩いてみるか…
あてもなく俺は歩き始めた







しばらく行くと、目の前になにか人の行列ができているようだ
俺はすぐそちらに向かった
何も考えず、ただ、なぜかそっちに行くべきだと思い、向かった
俺は行列の後ろに一緒に並んだ
しばらくかかりそうだが、なにゆえなにもない空間であるためこうするしかないのだ
俺は待つことは慣れていたが、ごくりと唾を飲んだ

























やっと、俺の番が来た
目の前には人…?
羽が背中から生えている美人がいる
そしてその人の後ろには2つの門があった

1つは白くてなんともシンプルなもの
もう1つは黒くて赤い光みたいなものがが門からでている
美人は俺に話しかけた
受付の天使
受付の天使
こんにちは
お名前をお願いします
加藤 春信
あ、加藤春信、です
思わず緊張してしまった
受付の天使
受付の天使
かしこまりました
加藤春信様でいらっしゃいますね
お間違いないでしょうか
加藤 春信
あ、はい
受付の天使
受付の天使
ありがとうございます
受付の天使
受付の天使
貴方様は天国です
左の門を通って行ってください
加藤 春信
天…国…?
受付の天使
受付の天使
はい、天国でございます
受付の天使
受付の天使
貴方様は死んでおられます
では、左の門へ…
加藤 春信
ちょちょちょ、ちょっと待ってください
加藤 春信
俺は…死んだんですか!?
受付の天使
受付の天使
はい、お間違いなく
加藤 春信
え、待ってくだ、さい
受付の天使
受付の天使
死因ですか?
死因はですね…
加藤 春信
俺は…
加藤 春信
死んでしまったのか…?
受付の天使
受付の天使
はい
加藤 春信
…寝てる間にですか?
受付の天使
受付の天使
はい
俺はどうしても現実を受け止められなかった
いや死んでるから現実じゃないかもだが…
そうだ、現実じゃないかもしれない
これは夢だ
そう思い頬をつねるも、普通に痛かった
加藤 春信
夢じゃないのか…俺は死んだのか…
受付の天使
受付の天使
はい
受付の天使
受付の天使
では左の門へお向かいください
受付の天使
受付の天使
貴方様は天国行きですよ
加藤 春信
天国か…
俺はあんまりそんな救世主みたいなことはしていないのだがな…
だが天国なら天国でいいじゃないか、むしろ天国に行けるならそれはいいことじゃないか
俺はまだ動揺しながらも門をくぐったーーーー

プリ小説オーディオドラマ