宮口 梨奈視点
プールを探し終わったため、今は校舎の中にいた。
私が今いる階は、4階。
階段は、登るスピードよりも降りるスピードの方が速いと私は思ったので4階に来た。
そう思った時、
ガタッ
下の階あたりで音がした。
私はすぐに階段を降りようとした。でも…
降りられなかった。
そんなことを考えると、足が震えてきた。手汗もひどい。冷や汗も出てくる。
でもみんなに会いたい…
私は勇気を振り絞って下の階へ降りた。いつ鬼が現れるのかわからない。
そんな中、私はみんなに会いたいという気持ちでいっぱいになりながらも下の階に向かった。
~1階~
1階についたその時、奥にある曲がり角に一瞬男子が見えた気がした。
鬼は全員男子。きっとまだ隠れてるみんなも見つかってないはず。あれは絶対鬼だ。
すると、あの角からまた男子が出てきた。まずい、バレた…!
走って階段を登ろうとした時、声が聞こえた。しかも、男女混じっているような声だった。
振り向くと、さっきの曲がり角から、優雨美と修也君が出てきた。
優雨美に会えたのは飛び上がりそうなほど嬉しかった。しかし、どうして優雨美が鬼と一緒に…?
よく見ると、目の色が違った。
出来事を説明
ここにだけ笑顔の輪ができた。笑えることってほんとに幸せ。
けれど、1人でいる愛香は大丈夫だろうか。少し心配になってきた。
私はとても怖かった。優雨美の言う勘は、かなりの確率で当たる。まさか、愛香が死んだとかじゃないよね?
河村 修也視点
逃げる?どうして?
俺は怖くなった。梨奈ちゃんと友達になって、約7年。小学校3年生の頃に友達になった。
梨奈ちゃんは嘘をつくのがそこまで得意ではない。でも今回は本当のことかもしれない。
とても真剣な顔で俺に言ってくる。梨奈ちゃんは真面目になると、絶対に嘘はつかなくなるからだ。
宮口 梨奈視点
優雨美の様子がおかしい。
優雨美はとても震えていた。優雨美の視線の先は、さっき2人がいたところの曲がり角だった。
みんなで近くの階段を登り、3階の自分の教室に入った。ドアを閉めて事情を聞いた。
あれはきっと普通の鬼じゃない気がする。
優雨美がずっと震えてる。ここはまだ安全な場所なのに、ずっと怖がってる。
ズバリと当てられたような顔だった。図星だろう。
ガラガラガラッ
『3人とも………』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!