とりあえずオフィスまでは無事に行けた。
ここからどうしよ…
本当に死にたくない
あんな痛くて怖い経験二度としたくない。
テレビスタジオまで行くため駅についた。
電車が来るまであと3分くらい。
朝は全然仕事に手がつかなかった。
帰ったら片付けようかな…
……いや、夜の方が狙われやすい?
『まもなく、4番線に電車がまいります。
黄色い線の内側まで、お下がりください。』
電車が見えてきて、俺らの前で減速し始めた時。
ードンッ
後ろから誰かに押された
瞬間、時間がゆっくりになった気がした。
……………
いや、違う。
気がするんじゃない……
本当にゆっくり動いてる…?
押された方を振り向く。
そこには…………
俺を見て、軽蔑するように笑う山本がいた
その言葉が引き金になったように、
時はまた現実と同じように動き始めた。
ーグシャッ
「きゃああああああっ!!」
「おい!人が轢かれたぞ!!」
「誰か119番!いや110番か!?」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!