ゴブが死んだ、そう言われた
頭が回る、僕はこういう時にだけ頭が冷える
何故だ、何故ゴブが死んだ
そんな、なんで、出かける前まで元気だったじゃないか
脳裏に笑っていたゴブの顔が浮かぶ
ついさっきまで顔を見ていたものが死ぬ
これは必然か、それとも偶然か
バタンと大きな音を立ててレムリンが出ていってしまう
ドアを勢いよく開けて、走る
今までこんな速さで走ったことは無い、
息切れする
目の前以外見えない、
息が切れても肺が苦しくなっても
ただただ走ってレムリンを追いかける
混乱が自分を前へ前へと進め
ただただ走り続ける
自分は昔から走るのが苦手だ
体力がなくて直ぐに息切れを起こす
昔汚染域に長く滞在してしまった後遺症だ
フラりと体が揺らいで
躓いて転んでしまう
心臓が痛い
汗が身体中から吹き出してくる
心臓の音しか聞こえない
早い鼓動の音が自分の耳を占領する
そこで僕の意識は途絶えた
視界が真っ黒、それしか映らない
動こうとすると、誰かが腕を掴んでくる
強い力で腕を掴まれる、後ろを振り向こうとするが誰かに目を塞がれて見えない
怖い痛い怖い、怖い怖い怖いっ
次に頭、足、首、耳、顔、と自分の体を無数の手が掴んで何処かに引きづり込まれる感覚、懐かしい、なんだっけこの感覚
バッと目を覚ます、目の前は自室の天井。汗が服についてベタベタで気持ちが悪い、まだ心臓の痛みが残っている気がする
"また"あの嫌な夢を見た。
自分の自室に居たレムリンが
自分に抱きついてくる
レムリンが自分に抱きついてワンワン泣いてるのを見て
冷静になる、状況を思い出す
そうだ、…自分は…、レムリンを追いかけて…
ゴブが…そうだ、…死んだ…
レムリンの後ろに誰かいると思わなかった
体が震える、
そういえば来るって言ってた気が…
エンジンさんと話してると、自然に心臓が痛くなくなった、
ベットからおりる
宝物の厚めの表の表紙にロゴが着いてるノートと、少し古びた、ロゴが着いてる布が巻いてあるペンを出す














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!