そう言いながら、マネオンニと共に暖簾をくぐる
数日前、無事にONE SPARKのカムバ活動が終了した
今日はその打ち上げの日
行きつけのお店を貸し切って、メンバーやマネージャーさん、ダンサーオンニなど、カムバに関わった多くの人が集まる予定だ
足を踏み入れてすぐ、入り口のそばに座っていたマネオッパが私に気づき、「ダヒョナ!」と声をあげた
お疲れ様です、ともう一度頭を下げると
「あっちだよ」と奥の卓を示される
指の指す方を見ると、その先にはみんなが座っていた
軽く手を振ってそちらに向かう
なるほど
既にテンション高めなナヨンオンニに招かれるまま、その隣に座る
とりあえずお冷を注文したところで、いないメンバーがいることに気づいた
向かいに座っていたモモオンニが顔をあげる
…ふうん
一瞬感じた心の沈みを無視するように、「それ美味しそうですね」とモモオンニの食べている豚足を一口もらった
しばらくしてチェヨンが戻ってきた
それを確認したジヒョオンニが立ち上がって
…流石の声量だ
その声に一同が歓声をあげ、私も拍手で参戦する
ジヒョオンニがグラスを掲げた
「「乾杯!!!」」
すぐに賑やかになる場の空気
1年ぶりのカムバだったのもあって、皆気合が入っていたから、その分今日は盛り上がるだろうな
みんな、いつも以上に楽しそう
最近は仕事や帰省で別々の時間を過ごしたから
もう10年目だというのに、数日ぶりの集合ってだけでテンションが高いTWICE
___可愛すぎでは
…チェヨン、そんな不審そうな顔しないでよ
次の瞬間、急に誰かに抱きしめられ息が止まった
ナヨンオンニの染み抜き中だったツウィ、オンニが私に抱きついたせいで揺さぶられて可哀想
…私もちょっと苦しいから離してくれると嬉しいかも。ね、オンニ。
そんな中、携帯を確認していたジヒョオンニが「あ」と呟いた
____え、
胸がトクっと音を立てる
ジョンヨンオンニの声がしたその時
サナオンニが到着した
瞬間、色んな感情が頭を駆け巡る
______お疲れ様ですオンニ
______何で遅くなったんですか、
______会いたかったです
言いたい言葉が浮かんでは消えて
だけど結局、何も出てはこなくて。
彼女を労うみんなに紛れて、その眩しい笑顔から目を逸らした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!