そんな出会いから数日後___
目の前には自分と身長が同じくらいの少女。
髪の色は同じ。髪の長さも近い。でも目の色が違う。
此の少女の眼の色は緑と赤の二色。
此方の瞳も、とても綺麗。
椅子に腰かけて足を組んでいるルシファーにノルンは問うた
あのよく分からない出会いから数日後。私は此の異空間に通っていた。
元々身寄りなんかない、名前の無い死体の一つ。数字の一つになる予定だったのだ。此れ位の我儘は許して欲しい。
今日も今日とて此処に訪れたのだが、訪れて五分近くたった頃。
何やら不気味な青白い光が辺りを包み込んだ。目も開けられない程の光が此の甘味処の様な此の場所を包み漸く光が落ち着いたと思ったら___
異能生命体、そう判断を下された少女を見る。
何が何やらと云った表情を浮かべているが意識ははっきりとしている。ワタシとルシファーさんを交互に眺めては首を傾げている。
発言は拙く生まれて来たばかり…と云った印象を受ける。先程の言葉からずっとあ、という言葉ばかりを繰り返している。
ルシファーは立ち上がり左目に付けた片眼鏡を正した。
肩に軽く乗っていた結んだ江戸紫色の髪の毛を煩わしそうに背へと回した。
単純な疑問。
其れにも彼は真摯に答えた
理屈は判った。
慥かにそうだ。
不測の事態にも備え事実を早めに知っていて悪い事は無い。流石は元軍人、こういう事になると良く頭が回るらしい。
白と橙色の瞳が優し気に此方を見つめる。
両者は見つめ合う。
異能生命体は何やら不思議そうな顔をしている。顔をじっと見るが顔は整っている方、可愛い方。
ワタシは意を決して口を開いた。
話が通じる相手かは判らないが物は試しだ。ワタシの異能と云うんなら悪い事はしない筈だ。
真逆こんな直ぐに説得できると思っていなくて自分でも驚いた。
其れは近くに居たルシファーさんも同じようであった。
異能生命体でありモルタと名乗った少女はのそっと動き此方に近づいてくる
そして其の儘此方に近づき掌を掲げワタシの額に乗せる。困惑するワタシを尻目にモルタは一切顔に感情を浮かべない。
少し恐怖すらも感じる其の様子を自分は只黙って視ている
喋り方は拙いというより緊張で声が出ていないという印象だ。
主と呼ばれたワタシ自身は只、黙ってその光景を眺める
ルシファーは再度椅子に腰かけ其の様子を眺める。
どの様な異能であろうが流石に超越者級の異能では無い筈だ。超越者級の異能は此の世界でもたったの数十人
俺が元々務めていた軍でも一番強い異能と云えば半径十米を凍らせる事が出来る異能であった。
然し異能生命体か、異能生命体使役異能も使い勝手は良い異能だ。まだ異能が顕現して数十分も経っていない、此処は無理に刺激せず時の流れに身を任せる事が優先だ。
段々異能に慣れさせていくその事が大事なのだ。
モルタは主を少々眺めゆっくりと口を開いた
思想は常に人間よりも現実的である
____フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
初めて書き溜めしたお話です。
そしてニュルッと入っています【ルシファーさん】
元軍人らしいですが辞めた理由は判りません。因みに見た目は作者の好みです。異能力はお察しの通りモンゴメリちゃんのような異能空間系異能となっております。
ルシファーさん気のいい近所のお兄さん的な感じで想像してくれれば幸いです。
そして初の完全異能生命体のモルタですね。
裏社会での情報売買屋の名前がモルタなのは多分偶然です。或いは運命かも知れませんね。
そしてルシファーさんの髪色である江戸紫色です。
此の時代にこんな色の概念はありませんが其処は大目に見てください

作者にしては珍しくパキッとした色合いですね
では後書きも此処までで、
次回もお楽しみに
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。