マルテ様が1人で戦っておられる。
くっ・・・・・・。
共に戦いたいのは 山々なのだが――
あの命令がある限り、
わたし達には どうすることも できない。
どうしようもない、もどかしさだけが
わたしの中に 巣食っている。
あれ?
わたしは今まで、
マルテ様と共に
―――戦っていたのか?
わたしは これまでずっと、
マルテ様の周りを管理する
メイド長として 主をサポートし、
何かあったときには 必ずお守りしていて、
最近は マルテ様ご自身でも
少しずつ 戦えるようになってきて―――
わたしは 共に戦ってきたのではない。
『守って』いたのだ。
最近、マルテ様が勇気を出して
頑張っている というのにもかかわらず、
主を危険に晒したくない という一心で
主が活躍できる、大きく成長できる
その機会を 奪ってしまっていたのだ。
その時響いた、興味と好奇心と
少しの狂気を含んだ声。
一瞬、誰の声なのか わからなかった。
いや、知っていたけれど、
わかろうとしたくなかった。
怖いマルテ様は。
いつから あのような状態だった?
思い出せ。
わたしの知っている
マルテ様じゃなくなった日。
その日は確か、
マルテ様を起こしに行って――
今思えば不自然な会話。
あのときは、ただ夢から覚めて
不安定な状態であると思っていた。
でも、それからの行動。
数日は図書館に引きこもり、
その後は 魔法に執着するようになった。
少し活発になったと思えば、
急に雰囲気がゾッとするほど変わり、
何かあったのかと わたしが聞くと
なんでもないと首を振った。
マルテ様、あなたは一体、『誰』なんですか?
・・・・・・考えたくもありませんが、最悪の場合、
もしかしたら、わたしは、貴方を、
殺すことに、なってしまうかもしれません。




















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。