第36話

サリーヌの回想
8
2024/09/01 11:00 更新
マルテ様が1人で戦っておられる。
くっ・・・・・・。
共に戦いたいのは 山々なのだが――
マルテ
マルテ
『下がって』
あの命令がある限り、
わたし達には どうすることも できない。
どうしようもない、もどかしさだけが
わたしの中に 巣食っている。

サリーヌ
サリーヌ
(マルテ様と共に
戦うことさえ
できれば・・・・・・)






















































































































































あれ?
わたしは今まで、
マルテ様と共に

―――戦っていたのか?
わたしは これまでずっと、
マルテ様の周りを管理する
メイド長として 主をサポートし、
何かあったときには 必ずお守りしていて、
最近は マルテ様ご自身でも
少しずつ 戦えるようになってきて―――

サリーヌ
サリーヌ
(あぁ、そういうことだったのか。
どうして今まで、気づいて
いなかったのだろう)

わたしは 共に戦ってきたのではない。
『守って』いたのだ。

最近、マルテ様が勇気を出して
頑張っている というのにもかかわらず、
主を危険に晒したくない という一心で
主が活躍できる、大きく成長できる
その機会を 奪ってしまっていたのだ。

サリーヌ
サリーヌ
(今更になって気づいた。
なんて愚かなのだろう・・・・・・。
わたしは、メイド長失格だ)

その時響いた、興味と好奇心と
少しの狂気を含んだ声。

一瞬、誰の声なのか わからなかった。
いや、知っていたけれど、
わかろうとしたくなかった。

サリーヌ
サリーヌ
(わたしの知っている マルテ様は、
もっと大人で クールな方だった。
魔法などには それほど興味を持たず
何事もそれなりに、ほどほどに
こなそうとする方だった。
わたしは知らない。あのような――)

怖いマルテ様は。
いつから あのような状態だった?
思い出せ。
わたしの知っている
マルテ様じゃなくなった日。

その日は確か、
マルテ様を起こしに行って――
サリーヌ
サリーヌ
おはようございます、マルテ様!
マルテ
マルテ
おはよう。――ん?マルテ様???????え??????
サリーヌ
サリーヌ
なぜ「?」を語尾にたくさんつけていらっしゃるのですか?
貴方様は本国レイファン王国第三皇女、レイファン・マルテ様ではありませんか
今思えば不自然な会話。
あのときは、ただ夢から覚めて
不安定な状態であると思っていた。

でも、それからの行動。
数日は図書館に引きこもり、
その後は 魔法に執着するようになった。

少し活発になったと思えば、
急に雰囲気がゾッとするほど変わり、
何かあったのかと わたしが聞くと
なんでもないと首を振った。

サリーヌ
サリーヌ
(あれもこれも、思い返せば
最近は 不自然な言動ばかり)

マルテ様、あなたは一体、『誰』なんですか?

・・・・・・考えたくもありませんが、最悪の場合、
もしかしたら、わたしは、貴方を、

























































































































































殺すことに、なってしまうかもしれません。
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