第6話

天使
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2023/09/02 21:52 更新
或る男学生
僕には好きな人がいた。
風になびく黒髪がとても綺麗で、透き通っていて、柔らかかった。
笑顔は花が咲くように儚げで、優しくて、
彼女はヒロインだった。
僕にとって天使だった。
彼女は言葉に言い表せないぐらい綺麗だ。


まぁ告白する勇気もないし、話したこともあまりないけど。


ある時、
或る女学生
休み時間屋上へ来てよ。独りじゃ寂しいからさ。
或る男学生
と言われたので来た。
或る女学生
あ、ほんとに来てくれたんだ
或る女学生
ありがと
或る男学生
いや…別に…
或る女学生
あはは笑。
あんま話したことないからちょっと緊張したんだけど…
或る女学生
なんかごめんね?
或る男学生
というか、なんで僕をここに?
或る女学生
言ったじゃん。独りじゃ寂しいからって
そう言って彼女はフェンスを登り始める。
或る男学生
待ってよ、危ない
或る女学生
止めないで。ね?
或る男学生
っ…
止める勇気は僕に無くて、
フェンスを超えたと思えば
或る女学生
なんかごめんね?
彼女は僕が見た中で一番綺麗で儚いほほ笑みを浮かべ
屋上から飛び立った。
もちろん天使というのは揶揄だ。
彼女はただの女の子だ。
或る男学生
追いかける勇気もなかった。
授業はサボることにした。





彼女は僕にとって天使だ。
fin

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