あの告白のあと、柳井と山田は悩んだ。
「どないする?」
「なにが?」
「クラスメイトのことや…あいつら…」
「あぁ…桜雅くんのことホモとか言うクソ野郎ね」
「クソ野郎て…」
山田ははにかんだように苦笑いする。
「ノリで校舎まで来てもうたけど…教室行ける気せんわ」
「まあ、僕もだよ」
「裕也なら、どないする?」
「…ん〜…じゃあもうサボっちゃう?」
「は??」
「このまま遊んじゃおうよ!ゲーセン行く?それともカラオケ?映画もいいね!」
「ちょい待ち!お前…そんなキャラやったっけ?」
「ん〜…僕もサボりたいときぐらいあるよ」
「そうか…じゃ、サボろか」
「うん!」
柳井は山田の手を引き、笑顔で歩き出した。
「まずはカラオケ行っちゃう?」
「ええな。行こか」
「ほぇー…学割効くんや」
「そうそう!室料無料って結構よくない?」
「せやな。ドリンク代だけでええんや」
「早く入ろ!沢山歌お!」
「そやな」
珍しくはしゃぎ、嬉しそうに笑う柳井は
山田にとって、精神安定剤だった
「なに歌う?僕はやっぱり…」
「なんでもええよ。お前の歌…しっかり聞いたる」
「やったー!じゃあ『宿命』かな」
「お、ええのぉ。聞かせてみ」
「〜〜〜」
「うまいなぁ、裕也…」
「ありがと!桜雅くんの為に歌ったんだ!」
「は?」
「桜雅くん…これから、どんな道があったとしても…君と手を繋いで、同じ方に進むよ。」
柳井は山田の手を握り、真剣な顔で言った。
「好き。大好き。だから…どんなことにも…負けないで」

「…………俺も……大好きやで……」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!