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第1話

少しだけ、気にされてる気がした
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2026/04/01 23:00 更新
放課後の教室は、少しだけ空気がゆるんでいた。

帰る準備をする音と、ばらばらに重なる話し声。
その中で、陽は静かにノートを閉じた。

急ぐ理由はないけど、
人が減ってから動くほうが落ち着く。

「陽、もう帰る?」

前の席の子が振り返る。

「うん」

「今日もバイト?」

「そう」

短いやりとり。

「大変だなー」と軽く言われて、少しだけ笑った。

それ以上は続かない。
いつも通りの距離。

カバンを持って立ち上がる。

教室の出口に向かって歩いて、

ドアの手前で、ふと足が止まった。

そこに、蓮がいた。

友達と話していたみたいだけど、ちょうど会話が切れたのか、
なんとなくこっちを見ている。

目が合う。

一瞬だけ、間ができる。
蓮(れん)
蓮(れん)
……帰り?
静かな声で聞かれた。
陽(はる)
陽(はる)
うん
それだけ返す。

近くにいると、少しだけ落ち着かない。

理由はよくわからないけど、
なんとなく意識してしまう。
蓮(れん)
蓮(れん)
今日もバイト?
さっきと同じことを聞かれる。
陽(はる)
陽(はる)
……うん
同じように答えると、
蓮(れん)
蓮(れん)
そっか
小さく頷かれた。

それで終わり、のはずなのに、

なぜかその場を離れるタイミングがつかめない。

蓮も、すぐには動かなかった。

教室のざわざわした音が、少し遠く感じる。
蓮(れん)
蓮(れん)
何時まで?
少しだけ間をあけて、また聞かれる。
陽(はる)
陽(はる)
10時
蓮(れん)
蓮(れん)
遅いね
陽(はる)
陽(はる)
慣れてるから
そう言うと、
蓮(れん)
蓮(れん)
……そっか
さっきよりもやわらかい声で返された。

また、少し沈黙が落ちる。

このまま別れる流れなのに、

どちらも動かない。
陽(はる)
陽(はる)
……じゃあ
先に言葉を出して、一歩踏み出す。

そのとき、
蓮(れん)
蓮(れん)
名前を呼ばれて、足が止まった。

振り返る。

蓮が少しだけ近づいてきていた。

さっきより、距離が近い。
陽(はる)
陽(はる)
……なに?
小さく聞くと、

少しだけ迷うみたいに視線を揺らしてから、
蓮(れん)
蓮(れん)
終わったら連絡くれる?
静かな声で、そう言った。
陽(はる)
陽(はる)
思わず聞き返す。

予想していなかった。
陽(はる)
陽(はる)
……なんで?
そのまま聞くと、

蓮は少しだけ困ったように笑った。
蓮(れん)
蓮(れん)
何となく気になるから
はっきりしてるようで、してない答え。

でも、軽く流してる感じでもない。
陽(はる)
陽(はる)
……別に大丈夫だよ
そう言うと、
陽(はる)
陽(はる)
うん
一度は頷く。

でも、
蓮(れん)
蓮(れん)
それでも教えてほしい
小さく付け足された。

強く言うわけじゃないのに、
なんとなく断りにくい。

少しだけ迷って、
陽(はる)
陽(はる)
……分かった
そう答える。

その瞬間、

ほんの少しだけ、安心したみたいに表情がゆるんだ。
蓮(れん)
蓮(れん)
ありがと
小さく言われる
陽(はる)
陽(はる)
……うん
それに頷いて、今度こそ教室を出る。

廊下に出ると、少し静かだった。

歩きながら、さっきの会話を思い出す。

“連絡くれる?”

たったそれだけなのに、

なぜか、頭に残る。

ポケットの中のスマホが、少しだけ気になった
(なまえ)
あなた
1話はここまでです。小説を書くにまだ慣れてないですがこれを機に作品に興味を持ってほしいです!

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