第2話

父と息子と許可証
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2026/04/03 08:14 更新
『父上…あなたです。今届きました』

「入りなさい」


厚い扉の前で言うと、扉の飾りの鷹が父の声で喋った。


『失礼します』


部屋のなかは明るく、本が天井まである本棚に整列している。


「ホグワーツ…入学おめでとう。返事は出しておいた」


椅子に座っていた父ー…ウィルヘルムが立ち上がって微笑んだ。


『ありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります』


あなた少し微笑んで頭を下げる。


「ああ、楽しみにしている。まあ座りなさい」

『失礼します』


ウィルヘルムの向かいに現れた椅子に座り、父の言葉を待つ。


「本当に喜ばしいことだ。私もホグワーツの卒業生だからね」

『はい。…父上は…』

「ん?」

『以前、父上はスリザリン出身だと聞きました。兄上もスリザリンです。僕…私もスリザリンでしょうか?』


ウィルヘルムが笑った。


「さぁ、どうだろうね。組分けはその人の気質やらが関係してくる。お前は…容姿は母親に似ているが、性格は私によく似ている。若い頃の私にそっくりだ」


さっとあなたの頬に赤みが差した。

羞恥でも怒りでもなく、初めて聞くその言葉を嬉しく思ったのだ。


『では…私もスリザリンに入れますね』

「そうだな、スリザリンに入りたいのならきっと入れるさ」


ふふ、と笑った父にあなたも頷く。


「さて、入学にあたって買い物に行かなければならないな。早速、と言いたいところだが…すまないが数日は仕事が立て込んでいてね」

『あ……父上、大丈夫です、ダイアゴン横丁なら一人でも…』

「何を言うんだいこの子は。クローディスの時にも私が連れて行ったんだ。楽しみにしていたんだ、良いだろう?」

『…で、では…お願いします…』


少し申し訳なさそうに、でも左腕を触るあなたにウィルヘルムは満足そうに頷いた。

父は知っていた。

この息子は嬉しいときに左腕を擦る癖があるのだ。

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