ガラガラと戸を開け、私は小屋に入って行った
鬼は入ってすぐの居間に蹲るように座っていた
鬼は人を傷つけ、喰い、人々に恐怖をもたらす..
必ず殺さなければならない。
だけど..
そう思ってしまったのだ
鬼に無闇に近づくと、襲われることがほとんどだろう。
しかし、この鬼は、私がもう手が届く距離にいるというのに、俯いたまま動かない。
ずっとしくしくと泣いている
鬼の第一声はこれだった
その後、鬼は私に話を打ち明けてくれた。
その語る姿はまるで、悩む人間そのものだった..
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そして私は、スッと鬼の頸に刃を通し、斬った
鬼が消えていくのを見送ったあと、私は奥さんの元へ向かった
奥さんに、私は旦那さんが伝えて欲しいと私に託した言葉を伝えた。
だけど、旦那さんが鬼だったこと。人を食べていたことは言わなかった。
いや..言えなかった。
きっと旦那さんはこんな自分を見せたくなくて、、ずっとこもっていたのだと思ったから...
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私達は屋敷に戻ることにした
任務は短いようで長かったと感じながらも、私は屋敷へ足を進める
なんだか、帰り道に寄り道をするのは、いけないことをしているようで少し楽しい(*´▽`*)
私は凛の食べたいものを聞くと、甘味処に入って行き、いちご大福とわらび餅を頼んだ。
それらを受け取ると、凛の待つ外へ向かった
凛はいちご大福をむしゃむしゃとすごく美味しそうに食べる
そんな他愛もない会話を終えると、私たちは再び足を進めた
帰り道、父様や母様のことを思い出していた..
きっと、凛の質問に答えたからだろう..
すごく懐かしい記憶がたくさん浮かぶ
すごく幸せだったな..と、噛み締めていた
屋敷に着くと、私は耀哉様の元へ向かった
私は部屋を出ると、自室に戻った
私は隊服を脱ぐと、鬼殺隊を始める前まで着用していた袴に着替えた
いつもならここで鍛錬を始めるが、今日は少し休んでおこうと思った
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。