その声と共に、室内だというのにも関わらず、霧のようなものが発生した
霧の中では微かに雨も降っていて、匂いや音も少なくなっていた
さらに、鬼の姿も見失ってしまった
その時、ス--ッ と
鼻の奥を続くような匂いを炭治郎は感知した
漆ノ型で一瞬静止した鬼に、横方向から肆ノ型で攻撃した
咄嗟に避けられ、手応えはあまり感じられなかった
鬼の異様な匂いに気が付いた炭治郎さんの様子が、少し変わった
なんといえば良いのでしょう..とても、重たい気...
怒りの気配がとても感じられた
見えていたのに、反応出来なかった
瞬きをする間に鬼は私の目の前に移動し、体を掴んでいた
鬼がそう言った時、頸に痛みが生じた
ズプッと何かを差し込まれた感触だった
感触から、それが爪だと分かった
だけど、この痛みは後に、さらに大きな力で打ち消された
炭治郎と凛がそう叫んだ時、屋敷中が青白い光で包まれ、バリバリと割れるような音が響いた
声を出す間もなく、身体中に電流が流れ、痛みが走った
爪が抜かれると同時に、全身の力が抜けるように、私はその場に崩れ落ちた
痛みに身体が耐えきれず、
そこで私は意識を手放した
炭治郎は、地面に倒れたかなめの体を持ち上げ、少し離れた所に寝かせた
戦線離脱のかなめ
1人で立ち向かおうとする炭治郎
さて、この戦い..一体どうなる..?!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!