先生が考え直してくれることを期待したけれど、
結局そんな僅かな期待は打ち砕かれて
発表会の前日に。
授業時間までをも準備やリハーサルにあてて、
みんながそれぞれのやる事に励んでいる。
自分の使う道具を持って、
ガヤガヤとみんなが行き交う廊下を通って
自分の教室に向かう。
どうする、私?
もう明日だよ?
どうやってやり過ごすの?
才能がないことをみんなにバラすの?
怒りに身を任せて、
あの"絵画"を黒く塗りつぶす。
私が始めたことなんだから
私が苦しんだって誰も分かってくれない
そんなの分かってる
でも、なんで誰も味方してくれないの、?
「私の作品なのに!!」
「みんな、あんな奴のことなんて信じないで」
「最悪…。」
自分で自分の首を絞めてる
でももう後戻りなんてできない。
この絵は私が描いたものじゃない。
持ち主がどう思うかな、
こんな真っ黒な絵画を見て。
そんなのもう知らない。
もう、どうにかやり過ごすしかない。
誰かのものを奪ってでも、
自分を補わないと…。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!