ボスのメールの宛先は、
フィリピンからだった。
フィリピンと、彼の関係は何があるのかは知らないけれど。
そこには、英語でこう書いてあった。
「 親愛なる 飯塚真 」
多分、飯塚真はボスの本名でもあると思う。
「約束のものが欲しければ黒木貴和を殺せ」
貴和を殺して欲しい、と言う趣旨の内容。
“約束のもの”とは何か。
謎は深まるばかりだ。
ヤクザやフィリピンのマフィアが手を出してそうなものを一から考えてノートに箇条書きにする。
ふと、「 麻薬 」( 大麻 )はあり得るのかどうか、を知りたくなった。
こう言う時には若武くんに電話するのが良いのだろう。
若武くんに電話することにした。
若武くんの電話を切ると、
急いで小塚くんに電話をかける。
電話を切ると、
翼からの着信が3件入っていた。
不思議に思って電話をかけると、
なぜか不機嫌な翼が出た
一方的に切ってしまった翼は
何だかいつもと違って、不思議な感覚だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!