第3話

#002
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2026/03/07 09:47 更新
  違和感に気づいたのは、いつからだっただろう。

最初は、小さなことだった。



♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「最近、来る頻度減ったね」






モモさんは笑って言った。

責める声じゃなかった。
いつも通りの、柔らかい声。

でも、

目が笑っていなかった。
(なまえ)
あなた
「最近、仕事が忙しくて…」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
  嘘じゃない。
でも、本当でもない。





━━━━━━━━━━少し、怖くなった。

モモさんの視線は、前よりも重くなっていた。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「そっか♡」
  モモさんはそれ以上、何も言わなかった。

それが逆に、怖かった。

怒ってほしかった。
責めてほしかった。

その方が、まだ分かりやすい。

でもモモさんは、怒らなかった。

ただ、

私を見る時間が、長くなった。
  店に行かない日が増えた。
スマホを見る回数が増えた。

通知は来ない。

来ないのに。

見てしまう。


ある夜の帰り道。
残業で遅くなり体もクタクタで。
早く帰らなくちゃと思ったその時。
背後から声がした。




♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「……久しぶり♡」




心臓が止まった。

振り向く。

モモさんがいた。
(なまえ)
あなた
…!
(なまえ)
あなた
「モモさん……!?ど、どうしてここに!?」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「近く通ったから♪」

嘘だと分かった。

偶然じゃない。

視線が、私を捕まえてくる。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「最近、来ないから寂しいよ?」
  一歩、近づく。

逃げなかった。

逃げられなかった。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「なんで会いに来てくれないの?」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「…忙しい?」
(なまえ)
あなた
「…はい。」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「…そう」



沈黙。

夜の音だけがある。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「あなたの下の名前ちゃん…」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「私のこと、嫌いになった?」
  即答できなかった。

嫌いじゃない。
違う。
ただ、






━━━━━━━━━━━━━怖い。




その沈黙が、答えになってしまった。
モモさんの表情が、消えた。


笑顔が、消えた。

無表情。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「なんでよ…。」
  小さな声。
その声は。
今まで聞いたどの声よりも、冷たかった。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「あなたの下の名前ちゃん、」
  手首を掴まれた。
強くない。


でも、逃げられない。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「逃げないで」


初めて聞く声だった。
感情が剥き出しの声。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「私、ちゃんと優しくしてるよね?」
  肯定も否定もできなかった。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「なのに、どうして逃げるの?」
  指が、少しだけ強くなる。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「私、あなたの下の名前ちゃんのために」
  息が乱れる。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「全部減らしたのに」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「客も、」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「時間も、」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「生活も。」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「貴女の為に」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「全部全部全部」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「貴女には私しか、いないのに」
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「どこ行こうとしてるの?」
  重い、
重すぎる。
でも。








嫌じゃなかった。
それが一番、怖かった。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「ねえ」
  顔が近付く。
逃げ場はない。




  その目は壊れかけていた。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「貴女は…」
  


声が震える。
♡𓈒𓏸︎︎︎︎モモ
「私のものなのに」



沈黙。

空気が重い。
(なまえ)
あなた
「……違います」
  初めて、否定した。

モモさんの目が止まった。
(なまえ)
あなた
「私は……」
  言葉が詰まる。

逃げたいのに。

完全には逃げたくない。

…矛盾。
(なまえ)
あなた
「……自由です」
次の話に続きます!

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