第66話

酸素
109
2026/03/15 11:38 更新
イルミ
て、事で。宜しくミル
ミルキ
また俺かよ!
あなた
こ、これは…
あなたの下の名前はゾルディック家へと着くと早速特訓場所へと連れてこられた
あなたの下の名前の目の前にはミルキの試作品だというまるで理科室に置いてあるような人型の模型が一体



その様子をミルキの部屋でイルミとミルキは見ていた
イルミ
父さんやゼノじいちゃんとやる前に、ある程度体力つけてもらわないと話にならないからね。とりあえず、今のあなたの下の名前の能力がどれくらいなのか測ろうと思って
スピーカー越しにイルミの声が届く

どうやら遠隔で会話ができる仕様の部屋のようだ
ミルキ
どうでも良いけど、ホントに手加減無しで良いのかよ兄貴
ミルキは横に立ち、画面を見つめるイルミに問う
イルミ
うん。やっちゃって
ミルキ
じゃ、遠慮なく
ミルキを合図に模型が動き出し、あなたの下の名前を追いかける
あなた
うわぁ!!何だコイツ〜!!
それに負けじとジョ◯マンの◯谷ばりに叫びながら逃げ回るあなたの下の名前

しかし、中々のスピードで迫ってくる模型にあなたの下の名前は泣きそうになる
ミルキ
無駄無駄無駄無駄ァ!!時間がくるか、そいつをぶっ壊さねぇ限り止まんねぇよ!


初手から全速力で逃げているせいか、息もすぐに上がってくるあなたの下の名前
ミルキ
貧弱貧弱ゥ!!!
あなた
デ◯オかてめーは!?
イルミ
あなたの下の名前、口が悪いよ
操作しながらスイッチの入ったミルキにマジギレするあなたの下の名前

容赦なく追いかけてくる模型から逃れようと右往左往するが、スピードで負けそうになる
あなた
…はぁっ…はぁっ…(全力で走ってるとはいえ、なんか、いつもよりも息が、上がりやすい…)わっ!?
瞬間、模型の体から鎌が飛び出しギリギリであなたの下の名前はそれをかわす
あなた
ちょっと!!何これ!
あなたの下の名前が抗議するとすかさずミルキが答える
ミルキ
あぁ、言い忘れてたけどそれ不定期にいろいろ攻撃しかけてくるから気をつけな〜
あなた
ミルキー!!あとで覚えてろよー!!
そんなものは聞いてないともはや君付けを辞め、呼び捨てで怒鳴るあなたの下の名前

しかし、その間にも次々と斧やら鎌やらで攻撃は続く
ミルキ
…なぁ、兄貴
イルミ
うん?
ミルキ
あの試作品失敗作かも。プログラムの信号は伝わってるはずなのに、保持回路間違ったかな…全然あなたの下の名前にかすりもしねぇや
つまらなそうにするミルキにイルミはいや、よく出来てると褒める
イルミ
窮地に追い込まれれば込まれるほど、あなたの下の名前は良いみたいだし
あなた
(攻撃が続く限りこのままだとラチがあかない!…道具も全部イルミが持ってるし…)
逃げながら考えていると、あなたの下の名前は一度呼吸を整えるため立ち止まる
ミルキ
おい、そのままだと死ぬぞ〜
ミルキの言葉を無視してまだ呼吸を整えているあなたの下の名前

そして模型が近づいた瞬間、指を鳴らした
あなた
ふぅ…これなら、攻撃の心配はないや
ミルキ
お前、何しやがった!
一瞬、動きの止まる模型

その間に距離を取りまた動き出した模型から逃げ回る
あなた
ちょーっと、私への直接攻撃をなくしただけ!
あなたの下の名前を追いかけてはいるが、明らかにあなたの下の名前への攻撃が模型自身に返っている光景にミルキは驚く
あなた
(無機物は、波動通しやすくて良いんだよねぇ…)
ミルキ
くそっ!人の作ったもんに変な細工しやがって!
キレるミルキとは反対に、イルミはそういう事かと納得する


そして逃げることに専念しているあなたの下の名前を見つめると、ミルキの部屋を出て行った
あなた
(それにしても、すごい執念だなあの模型!顔もちょっと気持ち悪い)
攻撃が自分へ返っているにも関わらず、あなたの下の名前への追跡が衰えることはない

簡単に止まる仕様ではないのだろうとあなたの下の名前は理解する
ミルキ
…良い気になるなよ
ミルキの操作で再びスピードが上がる模型

あなたの下の名前も合わせるようにスピードを速めるが、やはり限界か、息もしづらくなり、足がもつれ始めた

それと同時に転び、倒れてしまう


あなた
しまっ…!
ミルキ
終わりだぁぁぁ!!
あなたの下の名前が目を閉じると、転んだあなたの下の名前の足に模型の伸ばした手が触れるか触れないかで停止した
イルミ
はい、時間終了〜。お疲れあなたの下の名前
あなた
はぁっ…はぁっ…イ、ルミ…
いつの間にか自分の元へと来ていたイルミに驚くあなたの下の名前
中々立てないあなたの下の名前を抱え起こしてやると、あなたの下の名前はそのまま体をイルミに預ける
ミルキ
ちっ…兄貴、今日はもう良い?
イルミ
うん。ミル、協力ありがと
イルミはスピーカー越しにお礼を伝えるとあなたの下の名前を抱え、ひとまず訓練場を出た




抱えられたあなたの下の名前をイルミが部屋へと連れて行くと、自分のベッドへと寝かせる
イルミ
どうだった?
寝かせたあなたの下の名前の横に座り、感想を聞く
あなた
ハァ〜…なんか、やっとちゃんと息ができる気がする…
あなたの下の名前は少しずつできる呼吸に体が落ち着く
イルミ
苦しかったでしょ、あの部屋
あなた
え?
あなたの下の名前は首だけ動かし、イルミを見るといつものポーカーフェイスであなたの下の名前を見下ろすイルミ
イルミ
通常、一般的な部屋の酸素濃度は約21%、外と同じ。18%を切ると人は酸素欠乏症の危険性があると言われてるんだけど…
イルミ
あの部屋は18%切るか切らないかのギリギリで設定してあったんだよ。初めてにしては1時間もよくあそこまで動き続けられたなって思うよ
あなた
…それは、イルミの意向?
あなたの下の名前はゆっくりと体を起こし、イルミを見つめるとイルミはあなたの下の名前を撫でる
イルミ
ウチでは皆やってるよ。ミルのあの模型は特別に用意してもらったけど…
あなた
…そうだった!ミルキ、あとで〆る
思い出し、怒りを露わにするあなたの下の名前

イルミは短気なんだから、とあなたの下の名前の頭に手を置く
イルミ
まぁ、今日のであなたの下の名前の限界はわかった。あとはあの部屋で動きながらあと2時間位は粘れるようにしてもらいたいかな
あなた
て、事は3時間も?!
青ざめるあなたの下の名前にそりゃそうでしょと胸の前で腕を組む
イルミ
父さんやゼノ爺ちゃんに見てもらうにしたって、そのくらい耐えられなきゃ
あなた
なんてこったい…
あなたの下の名前は頭を抱える

イルミは少しここで休んでてと言い、部屋を出ていった




イルミ
あ、お帰り父さん
シルバ
あぁ。お前がいるってことはあなたの下の名前はもう来ているのか?
仕事から帰ったシルバから早速あなたの下の名前の事聞かれ、さっきの特訓の報告をする
イルミ
まぁ、まだ時間はかかるとは思うけど…
シルバ
焦ることはない、俺達はいつでも大丈夫だ…それにしてもよくあの部屋で1時間も耐えたものだ
イルミ
ずっと標高の高い山奥にいたらしいし、そのお陰かもね
イルミの言葉にシルバもなるほどなと返す
シルバ
…ところで、あなたの下の名前は今どこに
イルミ
流石に酸欠気味だったからね。俺の部屋で休んでもらってる
シルバ
そうか…
シルバは少し残念そうに答えると、イルミは会いたかったの?と聞き返す
イルミ
…もう少し休ませたら連れてくるよ。ちゃんと報告もしたいし
シルバ
わかった
2人は一旦その場を解散する
イルミは仕事があるからとそのまま向かう







あなた
…どうしよう
イルミが部屋を出ていってから数時間が経った

あなたの下の名前はイルミに1人で部屋から出るなと言われており、少々困っていた
あなた
流石に、トイレくらいは良いよね?
そっと扉を開けると、丁度1人の執事が通りかかる
あなた
あ、あの…
執事
あなたの下の名前様!…どうされました?
既に話は通っているのか、イルミの部屋から出てきたこともありすぐにあなたの下の名前だと気付くと丁寧に対応される
あなた
お手洗い、行きたいんですけど…その、1人で出るなって言われてて
執事
でしたら、私がお供します
執事に付き添われながらトイレへと向かうあなたの下の名前

歩きながらあなたの下の名前は心の中でこう思った
あなた
(連れションみたいだ…)
そう、あなたの下の名前の頭には女子あるあるなあの光景が浮かぶ

一緒にトイレ行こ〜から始まり、断ると微妙な空気になるのを恐れ、行きたくもないトイレに付き合わされる無駄な時間


あなた
(絶対、面倒くさいって思われてるよなぁ…)
そんな事を思っていると、案内をしていた執事の足が止まる
執事
ここでお待ちしておりますので
あなた
あ、何かすみません…すぐ戻ります
あなたの下の名前は用を済ませると、外で待っている執事の元へと急ぐ


すると、壁際に立ち待っている執事の後ろ姿と共に見慣れた人物の顔が目に入る
あなたの下の名前は何となく気配を消すようにそっと様子を伺う
執事
…と言う事でございます
イルミ
そ。じゃあ、あとは俺が待ってるから、仕事に戻って良いよ
執事
失礼します
イルミに一礼し、先程付き添ってくれた執事が居なくなると、あなたの下の名前はすぐにイルミの元へと駆け寄る
イルミ
あなたの下の名前
あなた
ごめん、イルミ。我慢できなくて…
あなたの下の名前は顔の前で手を合わせ謝る
イルミ
あなたの下の名前って、言葉そのまま受け取るよね
イルミは呆れた様にあなたの下の名前を見下ろす
あなた
え…だって1人で出るなって
イルミ
そうだけど、俺が言ってんのは1人で出歩いてあちこちうろちょろするなって事
あなた
そういう意味か…
イルミ
人の意思を汲み取れるようになろうね
あなた
てか、うろちょろなんてしないよ!
イルミ
屋敷の中、まだ全部把握できてないのに?
あなた
そ、それは今後覚え…
イルミ
すぐ迷子になるのに?
あなた
う…
イルミ
ほら…だから1人で出歩くなって言ったの。わかった?
あなた
はい…
何故か説教をくらい、しょぼんとするあなたの下の名前

そしてイルミに連れられシルバの元へと向かった





シルバ
これで正式にゾルディック家の一員、と言うことだな
昨日届けを出した事を報告すると嬉しそうにあなたの下の名前を見るシルバ


その横で更に嬉しそうに次は式ね!とはしゃぐキキョウ

静かに頷くゼノと顔を見合わせていた
あなた
これから、宜しくお願いします!
あなたの下の名前が元気よく言うと、こちらこそよろしく頼むとシルバと、握手を交わす


そしてシルバはあなたの下の名前に少し申し訳なさそうに言う
シルバ
…当初と話は少し変わってしまったが、しばらくは家から仕事にも行ってもらうことになるが、大丈夫か?
あなた
あ、それは大丈夫です!適当なお車お借りできれば私運転できますし…
イルミ
いや、送り迎えはこっちで手配する。そういう約束でしょ
あなた
でも、皆忙しいだろうし…私も不定期だし
シルバ
気にするな。むしろそれくらいはさせてくれ
気を使うあなたの下の名前だが、家族だろう?とシルバに言われ少々照れながらもあなたの下の名前はじゃあ…とお願いする事にした
イルミ
あ、そう言えばゼノじいちゃん
イルミがゼノの元へと立ち上がると、ゼノはなんだ?と見上げる
イルミ
これあなたの下の名前の師匠から預かってた。じいちゃんに渡してくれって
ゼノ
こいつはまた、随分…
イルミ
どうせ手入れもせず黒ずんでるだろうからこっち付けろって言ってた
ゼノ
あのクソババア…
ゼノの子供のような反応にイルミは驚く
イルミ
…あなたの下の名前の師匠、ターゲットだったってほんと?
ゼノ
まぁ、な。あの時のワシはまだまだ青ガキ…まさか拳で気を失うとは思わんかったわい
ゼノは懐かしむようにイルミから渡されたブレスットを付け、代わりに今まで持っていた方を取り出す
ゼノ
コイツはどうするかのぅ
処分に困っていると、すかさずあなたの下の名前が声をかける
あなた
私が、捨てましょうか?
あなたの下の名前に言われ、よろしく頼むとゼノが預けるとすぐに持っていたハンカチに包む
あなた
(龍眼天珠か…)
ゼノに合わせた石を組込んだんだなと、あなたの下の名前はすぐに理解した



そして入籍の報告も済むと、いよいよゾルディック家の人間としての日々が始まった

プリ小説オーディオドラマ