第10話

第零章【人生という名の物語に祝福を】(非)日常篇
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2026/07/31 12:00 更新

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古くて 、苔が生い茂って居る様な 、御世辞にも綺麗とは云
えない廊下に 、彼は居た 。

星屑を散りばめた様な美しい金髪を湛えて居るのにも関わ
らず 、其の身は暗い影に包まれて光を失って居た 。

此処が何処なのかも分からない 。
そんな状況下にも関わらず金髪の男性は腕を組んで呑気に
眠りに着いて居た 。

そんな男性の横に 、小柄で華奢な 、襟巻を付けた嫋やかな
黒髪を持つ女性が 、焦った容子で彼を見詰めて居た 。

一向に起きない彼を見て 、女性は自分責め立てるかの様に
、瞳に涙を滲ませ乍ら 、叫ぶ様に言葉を綴った 。
Characters
  ど 、どうしよう … !
ここ 、此の人 、一向に起きないよぉ … ! !

彼女は焦りのあまり 、彼の周りを足早に途方も無く歩き続
けて居る 。

其の行為に全くの意味が無い事位 、彼女自身分かって居た
つもりだ 、でもこうしないと何故だが気分が落ち着かない


刻一刻と 、時間が過ぎ去って行く 。
その度に彼女は不安に感じ 、彼を起こ相と一生懸命に揺さ
ぶる 。

不安 、焦り 、見知らぬ場所 … 全てが彼女の心に重荷とな
ってのし掛かった 。

小柄な女性は 、唇を強く 、強く噛み締め乍らまるで獣が唸
る様な 、苦痛混じった表情を浮かべて 、涙を流した 。

大きな粒が 、頬を伝う 。
鼻を啜る音と 、彼女の甲高い声が静寂漂う廊下に鳴り響く

Characters
  ぼくが一体何したんですかぁ … 。
… 前世で酷いことでもしちゃったのかな 、
ぼく 。

彼女は 、諦めたのか将又自責の念にでも駆られたのか 、途
端に顔を暗くして 、廊下の角へと躰を小さくして座り込ん
だ 。

其の後も 、まるで呪文の様に何か言葉を呟いて 、涙を僅か
に浮かべるだけであった 。

暫くの間 、2人の周りに重い沈黙が流れる 。
其の圧迫感は 、此方迄押し潰され相に感じられた 。

刹那 、失われていた希望の光が 、再度色鮮やかに光り輝い
た 。彼の湖の如く秀麗な眼光が 、僅かに開かれる 。

然し 、彼は未だに寝惚けているのか微睡みの中小さく溜息
を吐く様に 、低く唸り声を上げた 。
Characters
  あ " ぁ ? … … … って誰だよアンタ … ?  

漸く此方の存在に気付いたのだろうか 、今更乍ら警戒する
素振りを見せて 、彼女の事を鋭い眼光で睨み付けている 。

当の本人である彼女は 、彼に対して怯えた反応を見せて 、
気不味相に視線を逸らす許りだ 。

そんな彼女の容子に 、金髪の彼は調子が狂った様に口元を
引き攣らせ 、切り替える様に一つと大袈裟に咳払いをして
みせた 。

彼の瞳が 、彼女の姿を捉えた 。
其の目付きは先程の鋭い物と打って変わって 、優しい物で
あった 。
Characters
  すまん … 怖がらせたな 。
いきなり睨まれて怖かったであろう 。

金髪の彼はまるで小動物でも見るかの様な 、慈悲の滲んだ
瞳で彼女を見据え乍ら 、口を開いた 。

小柄な彼女は只々其れを静かに聞くだけであったが 、然し
いつの間にか涙は引っ込んでいた 。

理由は明白だ 。
彼女は金髪の男性を敵ではないと悟り 、僅かな安堵を覚え
たからに他ならない 。
星影黒薔
星影黒薔
  俺は 、超高校級の天文学者 。
星影黒薔 、で 、御前の名前は ?

超高校級の天文学者 ___ 。
黒髪の彼女は 、何処かで其の名を聞いた覚えがあった 。

テレビやSNS 、新聞等で大きく取り上げられており 、世界
に其の名を轟かせて居る天才 、謂わば暗闇の夜空の中光輝
く星の様な人物だ 。

そんな 、超世界的有名な人物が 、目の前で静かに佇んで
、心配相に此方を見下ろしている 。

まぁ … 黒髪の彼女も 、超高校級の一人なのだけれど … 。
当の本人はあまり自覚がないらしい 、呑気で羨ましい限り
だ 。

そんな彼女が言葉を紡ぎ出す 。
橙色の瞳が 、興奮したかの様に見開かれた 。
Characters
  て 、天文学者だなんて … す 、凄いですね ! 
ぼくも 、星とか見るの好きなんで 、羨まし
いですぅ … 。

黒薔は 、何処か照れ臭相に 、そして何処か誇らしく思い乍
、額を軽く掻いて居た 。

彼は怡々ついつい口角が上がってしまい 、慌てて表情
を見せまいと 、彼女から顔を逸らした 。

黒薔は 、話題を変える様にして口を開いた 。
其の声色には僅かの当惑が滲んでいた 。
星影黒薔
星影黒薔
  … … 所で 、アンタの名前は何だよ ?  

黒髪の小柄な少女は 、彼の言葉を聞いた途端まるで何かを
思い出したかの様に目を見開いて 、慌てた容子で口を開い
た 。
火鼠平
火鼠平
  あっ … ご 、ごめんなさい っ ! !
ぼ 、ぼくは火鼠平 … です 、い 、一応超高校
級の魔術師やってます ! !
  
謝罪を述べ乍彼女は畏まった様にして 、深々と頭を下げ 、
前髪の隙間から涙で潤んだ瞳で恐る恐る此方を窺っている

少しは自分に対して自信を持った方がいいのでは ?
俺は知らず知らずの内に 、そんな事を考えて居た 。

俺だって 、彼女だって 、同じ超高校級 。
ランクで云えば 、同等なのに何故そんなにも怯え 、
畏まる必要があるのだろうか ?

単純で愚かな人間に対して 、こんなにも不思議に思った事
は生まれて初めてだった 。

だからこそ 、俺は彼女 … 火鼠平に僅かの興味を抱いた 、
此れは決して恋愛感情等では無く 、ただ単にほんの少しの
好奇心である 。
星影黒薔
星影黒薔
  そんなに怯える必要はない 、いや 、こんな
状況で云われても無理があるか … まぁ俺が
ついてる 、安心しろ 。

此処が何処で 、目の前に居る俺も彼女にとっては所詮他人
、だから無理に怯えるなとは彼は云わなかった 。

けれど 、彼女は黒薔の言葉を聞いた途端 、何処か安堵した
容子で溜息を一つ吐いて 、緩やかに口角を上げた 。

彼女は彼の言葉を聞いて 、頼もしいとでも感じたのであろ
うか ? 相思わせる位 、彼女の顔には安堵が滲んで居た 。
火鼠平
火鼠平
  はい … わかりましたぁ !
ふふっ 、黒薔さん頼りになりますね 、助か
りますぅ … !

暫くの間 、平と黒薔は会話を交わし続けた 、嫌 、何方か
と云えば情報交換に近い形だ 。

淡々と会話を続ける 、此の廃校が一体何処で 、犯人の目的
はなんなのか 、そして何故超高校級の黒薔達が選ばれたの
か 。

話し合った結果 、一つの結論に結びついた 。
超高校級である平達を誘拐し 、此の廃校を舞台にして 、配
信か何かの形で趣味の悪い男達に自分達の行動を全世界に
インターネットを通して流しているのではないか 。

其の結論が正しければ 、何処かに監視カメラか何かがある
筈だ 、二人は先ずは其れを探そうと 、足を踏み出そうとし
た 、刹那 。

不気味で 、何処か恐怖を覚える様な不協和音が静寂な雰囲
気の廊下に響き渡る 。
Characters
 「 超高校級のミナサーン ! ! 大至急 大至急 ! !  
体育館にお集まり下さーい ! 遅れたら即罰則
ですので 、 お気を付けて ! 」
Characters
  「 こ 、 転ばない様にき 、 気を付けてくださ
ぁいぃ … 」

… … … 其の声は 、見知らぬ物だった 。
一つは子供特有の甲高い 、愛らしい声 。

もう一つは男であろうか ? 声が低く 、何処か弱々しい印象
を受けた 。

体育館にお集まりください … 明らかに俺らと同じ被害者の
言葉使いとは思えない 、つまりは俺らを誘拐した真犯人 …

然し 、何処か違和感も覚えた 。
子供たったた二人で 、超高校級を誘拐して此の廃校に …
… 現実的に考えて 、不可能に覚えた 。

超高校級の皆さんと呼んでいる事から 、きっと俺ら以外に
も超高校級が存在するのかも知れない 。

だけども 、此の様な状況下で不本意に体育館に行ってもい
いのだろうか 、危ない目には遭わないだろうか 。

黒薔は 、久しぶりに恐怖と不安感を覚えた 。
然し 、此の儘ずっと立ち尽くしている訳には行かない 、物
事は何かを始めない限り発展はしないのだ 。

そんな事を自分に言い聞かせる様に 、心の奥底で何度も何
度も唱え続ける 。

落ち着く為に溜息を一つ 、息を呑んだ後平の小さく華奢の
掌を包む 。

平は行きたくないと首を小さく振る 。
黒薔は平の掌を強く振り払うと 、平を振り返る事無く 、体
育館に向かう為廊下へと足を進めていった 。

然し 、一人で居る孤独に苛まれたのか 、少し決心した面持
ちで黒薔の背後を慌てて着いていく 、

平の足音等眼中に無く 、黒薔は何処か楽しげに体育館を探
して辺りを見廻し 、歩き続けた 。

黒薔は 、自分に対して疑問と恐怖を覚えていた 。
何故ならこんな危険な状況下なのに 、何処か興奮し 、好奇
心が沸いている自分に 。

どうせ碌な事にならないし 、どうせすぐ飽きてしまう 。
そんな事分かって居るのに 、どうしても好奇心が止まらな
かった __ 。

おひさしぶりです、黄色野郎です 。
久々の投稿申し訳ありません 、少々多忙で …

前みたいに週一投稿とは行かないかもしれませんが、再度
投稿を開始します !

みなさんの応援コメント 、まっております ! ! !

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