試合当日、昌幸も私も勝ち進め
強者たちが集まる関東大会でぶつかる
個人戦で登り詰め、全力で戦っていく。
私たちは、ハイタッチして
お互いの勝利を分かち合う。
でも油断はしない。
止まらない汗を拭い、スポドリを飲んで
息をつく
面を脱いで、息を整えるあなた。
真剣な目に見入ってしまう。
本当に強くなった。小学生の時は
へっぴり腰だったのに、中学に入ってから
減量して人が変わったように、稽古に打ち込む。
関東大会でのダークホースとも呼ばれた。
マークしていた、強い選手を倒していく。
かけているものが違った気がした。
昌幸も動きが段違い。
彼女と共に成長して、ああやってハイタッチしているのが羨ましくて仕方ない。
そんな、くだらない願いをこぼすほど
準決勝、相手は全国的4位の強者
立っている姿が違う。待つ姿勢が長く
耐久戦にもなるかと思ったが、懐に入り込み
仕掛けてきた。足を踏ん張り押し返す。
腕が上がってしまった瞬間を見逃さず
あなたが胴で一本を取った。
あなたのお母さんが涙ぐむ。
ここまで成長した姿を見せてくれるなんて。
男子の方でも歓声が上がった。
「一本!赤!」
なんと昌幸も一本勝ちを決めて
決勝に勝ち上がる
お互いグータッチをして最後の試合にのぞむ。
不思議と落ち着いている。
負ける気がしない。
隙を見て攻撃をドンドン仕掛ける。
最後なんだ。後悔するような闘い方は
絶対しない。
相手の竹刀がブレてきている
スタミナ鍛えて良かった。
得意の瞬発力で決める!!
「一本!白!」
割れんばかりの歓声。
やった!やったんだ
優勝したんだ。やばい!信じられない!
きちんと礼をして、舞台から降りる。
面を外して、俺と目が合った。
手拭いも外し、手を振る
俺も手を振りかえす。
だけど、すぐに昌幸の試合に目をうつす。
時間がかかっているらしく、お互いが
体力の限界をむかえているらしい
私は力一杯彼に声援を送った
小手の一本を決め歓声があがる。
昌幸も、本当に優勝してくれ
戻ってきて防具を外したところで
感極まって、涙ぐみながら
私は昌幸に抱きついてしまった。
彼も抱きしめてくれ、笑顔を見せつつ
涙ぐんでいる。
やばい。マジで2人とも頑張った
優勝とかやべーだろ。
抱き合ってるの正直言って嫉妬したけど
でもそれは讃えあうものだから文句言っちゃいけない。
表彰式も終わり
2人が戻ってきた。
でかいトロフィーに優勝の文字の賞状
昌幸は少し話したあと、家族と帰るらしく
別れた。
あなたのお母さんは先に荷物を持って帰るらしい
俺たちは電車で帰ることになった。
うっしーの服をひっぱり、公園のベンチに座らせる。彼の顔をみてこう告げた
そう、これが私が出した結論。
うっしーからあの世界をとりあげではダメ。
私とうっしーが付き合うことになっても
彼にはあの世界が必要だから
私たちは一緒にはなれない。
実際、私はうっしーの実況や
TOP4の存在に助けられた。
私だけじゃない、たくさんの人たちの生きる糧になってる。
そんな世界が私の想い一つで無くすことになるなら
私の想いなんて叶わなくていい。
涙が溢れる。
わたしは彼を抱きしめて、最後にキスをした。
そして、その瞬間
懐かしい景色が広がった。
元の世界の一人暮らしの部屋だ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!