車窓から覗くと見た事の無いような
豪邸が目の前に座っている。
悲鳴にも近しい様な驚愕の声が出る。
すると私の様子が心底面白いのかアベンチュリン
は声を上げて笑う。
アベンチュリンは話題を逸らすように私を促した。
アベンチュリンは重厚そうな両開き扉の鍵を開け、
「どうぞ入って。」と扉を開けてくれる。
玄関に入ると、
まぁ想像していた様な豪華な空間が広がっていた。
ふと足元で何かが鳴いたので見てみると
エンジェルズという創造物達が、
私の足元に擦り寄ってきた!!
私はしゃがんで1匹の創造物を抱き締めていると
アベンチュリンは私と目線を合わせる様にしゃがみ、
そう言った。
私に抱き締められている創造物は驚き、もがく様に
じたばた私の腕の中で暴れている。
アベンチュリンと意外と近い距離に居ることに
私は注意が向かなかったが…
アベンチュリンに微笑まれ耳元で喋られ、
私はようやくその状況に気付いた。
私は顔が赤くなっている事を
悟られない様にバッと立ち上がり半分逃げながら
豪邸を見て回ることにした。
一通り見て回ってリビングに着いた頃、
アベンチュリンはようやく私に追い付いた様だ。
しかしその様子に私は思わず笑ってしまった。
なぜならアベンチュリンは3匹の創造物を
抱えて居たからである。
がっくしと項垂れ アベンチュリンは髪を直しつつ、
とソファに腰を下ろす。
私もアベンチュリンの隣に腰を下ろす。
アベンチュリンの息も落ち着いて来た頃、
ふと気になったので口に出してみる。
アベンチュリンは少し黙った後、一言告げた。
エンジェルズは私に続くように口々に鳴く。
私は俯くアベンチュリンの顔を
覗き込みながらそう言う。
アベンチュリンは蚊の鳴くような声で小さく言った。
彼の左手は震えている。
私はその左手をしっかりと握りながらゆっくりと
アベンチュリンを抱き締めた。
するとアベンチュリンは貴方に向き直り、
少し涙で濡れた瞳を揺らしながら貴方を抱き締める。
その反動で私はソファに倒れ込み、アベンチュリンに押し倒されている様な体制になってしまった。
耳元では絶えず嗚咽の声が聞こえていたが、
しばらくするとそれは安らかな寝息に変わっていた。
ー 1時間後
私が先に目覚め、右肩の服が濡れている事に気付いた。
変わらず私を強く抱き締めるアベンチュリンの背中を優しく撫でる。
するとアベンチュリンは貴方の肩に
顔を埋めながら耳元で囁く。
私が彼を呼ぶ時に「アベンチュリン」と
口に出すといつも目を少し曇らせていた。
カカワーシャはこくりと頷く。
いつもの彼とは思えない程、子どもじみた口調。
はぁ…とため息を漏らすがこの状況に
私は満更でも無かった。
母親に泊まりの連絡を入れていた所、
カカワーシャはまた私に覆い被さったまま
寝ようとするのでそれは阻止せねばと声を上げた。
凄い如何わしい発言をした気がする。
そんな事も気にしてないのか
カカワーシャは無言で私の手を引きながら
寝室に直行する。
ふとエンジェルズが気になったので後ろを振り返ると
3匹揃って何だかにまにましているように見えた…
寝室に着き、カカワーシャは上着を脱ぐと
布団の中に入り、貴方に手招きする。
私は彼の布団に入り目をぎゅっと瞑った。
カカワーシャは満足そうに貴方を頭ごと抱き締める。
カカワーシャはこの言葉を最後に眠りに落ちた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。