第7話

𝑝𝑎𝑟𝑡6 今まで無理してたんだね
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2024/05/30 13:17 更新
アベンチュリン
アベンチュリン
さて、僕の家に着いたよ。
車窓から覗くと見た事の無いような
豪邸が目の前に座っている。
あなた
うえぇ…
悲鳴にも近しいちかしい様な驚愕きょうがくの声が出る。

すると私の様子が心底面白いのかアベンチュリン
は声を上げて笑う。
アベンチュリン
アベンチュリン
アハハッ、君は高級な物に
弱いタイプかい?
あなた
そんなお姫様じゃないんだし、
当たり前だよ…
アベンチュリン
アベンチュリン
そうかい?僕にとって君は
プリンセスそのもの…やっぱり何でも
ない、忘れてくれ。
あなた
ん?分かった…?
アベンチュリン
アベンチュリン
さて、車から降りて家に入ろうか。
アベンチュリンは話題を逸らすように私を促した。
あなた
そうだね、猫ちゃん達早く見たい!
アベンチュリン
アベンチュリン
ハハッ、多分玄関で
待ってるんじゃないかな。
アベンチュリンは重厚そうな両開き扉の鍵を開け、
「どうぞ入って。」と扉を開けてくれる。
あなた
ありがとう。
玄関に入ると、
まぁ想像していた様な豪華な空間が広がっていた。

🥮
…みぃ?
ふと足元で何かが鳴いたので見てみると
エンジェルズという創造物達が、
私の足元に擦り寄ってきた!!
あなた
え〜!可愛いぃ…
アベンチュリン
アベンチュリン
やっぱり玄関で待っていた様だね。
私はしゃがんで1匹の創造物を抱き締めていると
アベンチュリンは私と目線を合わせる様にしゃがみ、
そう言った。
🥮
…?!
私に抱き締められている創造物は驚き、もがく様に
じたばた私の腕の中で暴れている。

アベンチュリンと意外と近い距離に居ることに
私は注意が向かなかったが…
アベンチュリン
アベンチュリン
可愛いだろう?
アベンチュリンに微笑まれ耳元で喋られ、
私はようやくその状況に気付いた。

私は顔が赤くなっている事を
悟られない様にバッと立ち上がり半分逃げながら
豪邸を見て回ることにした。
アベンチュリン
アベンチュリン
ちょ、ちょっとそんなに走り回って…
一通り見て回ってリビングに着いた頃、
アベンチュリンはようやく私に追い付いた様だ。

しかしその様子に私は思わず笑ってしまった。
なぜならアベンチュリンは3匹の創造物を
抱えて居たからである。
あなた
あははっ、髪の毛めちゃめちゃに
されてるよ。
アベンチュリン
アベンチュリン
えっ?…ほんとだ、
がっくしと項垂れうなだれ アベンチュリンは髪を直しつつ、
アベンチュリン
アベンチュリン
ちょっと疲れたから
休憩してもいいかい?
とソファに腰を下ろす。
あなた
全然いいよ、隣座るね。
私もアベンチュリンの隣に腰を下ろす。

アベンチュリンの息も落ち着いて来た頃、
ふと気になったので口に出してみる。
あなた
あのさ、こんな豪邸に
1人で住んで寂しくないの?
アベンチュリンは少し黙った後、一言告げた。
アベンチュリン
アベンチュリン
大丈夫だよ。
あなた
絶対嘘付いてる、
🥮
みぃ!
エンジェルズは私に続くように口々に鳴く。
あなた
あの…さ、私と居る時でさえポーカー
フェイスでいる必要無いんだよ?
私は俯くアベンチュリンの顔を
覗き込みながらそう言う。
アベンチュリン
アベンチュリン
ごめん、
アベンチュリンは蚊の鳴くような声で小さく言った。

彼の左手は震えている。


私はその左手をしっかりと握りながらゆっくりと
アベンチュリンを抱き締めた。
あなた
身体、大きくなったね。
あなた
…よしよし
するとアベンチュリンは貴方に向き直り、
少し涙で濡れた瞳を揺らしながら貴方を抱き締める。

その反動で私はソファに倒れ込み、アベンチュリンに押し倒されている様な体制になってしまった。


耳元では絶えず嗚咽の声が聞こえていたが、
しばらくするとそれは安らかな寝息に変わっていた。


ー 1時間後
私が先に目覚め、右肩の服が濡れている事に気付いた。

変わらず私を強く抱き締めるアベンチュリンの背中を優しく撫でる。
アベンチュリン
アベンチュリン
…んん、
あなた
あっごめんね、起こしちゃった?
するとアベンチュリンは貴方の肩に
顔を埋めながら耳元で囁く。
アベンチュリン
アベンチュリン
ねぇ、僕の名前呼んで。
あなた
……カカワーシャ。
アベンチュリン
アベンチュリン
これからはずっとその名前で
呼ぶんだよ、いいね?
あなた
あっ、やっぱり偽名で
呼ばれたくなかったんだ。
私が彼を呼ぶ時に「アベンチュリン」と
口に出すといつも目を少し曇らせていた。
アベンチュリン
アベンチュリン
…うん、
あなた
今日はずっと一緒に居よっか。
カカワーシャはこくりと頷く。
あなた
…あれ、起き上がらないの?
アベンチュリン
アベンチュリン
やだ。
いつもの彼とは思えない程、子どもじみた口調。
あなた
大きい子どもは大変だ、
はぁ…とため息を漏らすがこの状況に
私は満更でも無かった。

母親に泊まりの連絡を入れていた所、
カカワーシャはまた私に覆い被さったまま
寝ようとするのでそれは阻止せねばと声を上げた。
あなた
えっと流石に体痛いから
ベット行こっか、
凄い如何わしいいかがわしい発言をした気がする。
アベンチュリン
アベンチュリン
…行く。
そんな事も気にしてないのか
カカワーシャは無言で私の手を引きながら
寝室に直行する。

ふとエンジェルズが気になったので後ろを振り返ると
3匹揃って何だかにまにましているように見えた…


寝室に着き、カカワーシャは上着を脱ぐと
布団の中に入り、貴方に手招きする。
あなた
ほんとに一緒に寝るの…?
アベンチュリン
アベンチュリン
君からそう言ったんだ。
あなた
うぅ…分かりました、
私は彼の布団に入り目をぎゅっと瞑った。
アベンチュリン
アベンチュリン
ふふ、あったかい。
カカワーシャは満足そうに貴方を頭ごと抱き締める。
アベンチュリン
アベンチュリン
布団は無かったけど檻の中でこうして君と寄り添いあって寝てた頃を思い出すなぁ、
アベンチュリン
アベンチュリン
あの頃は幸せなんて分からなかった。
ただ生きていく事にしか考えが回らなかったけどこんな近くに君という幸せが有ったなんてね…
カカワーシャはこの言葉を最後に眠りに落ちた。

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