もうすぐ英検がある。塾の宿題もやらないといけない。冬休みの宿題もやらないといけない。でも、やりたくない。やらなければいけないこととやりたいことがと同じことだったらいいのに。
そう言って過去問題集を押し付けてきた母親。
そう言っても
そう怒鳴ってきた父親。
そう言って脅された。
将来まで奪われるかもしれない。
そう言って笑われた。
私には、私にはできない。
妹の絵が市に選ばれた。しばらく飾られるらしい。去年も選ばれていた。2年連続だ。
私は選ばれたことがない。
私には、私にはなにもない。
「私の誰にも負けない長けてることってなんだと思う?」そんな風に聞けたらな。
それに比べて私はすごくないの。
人の傷がわかる?そんなのわかったことない。
でも私は、いつも助けを求める側で、誰かを助ける側じゃない。
この人たちは本当に、私の心が読めるかのようによくわかってくれる人だ。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!