梟谷との2日間にかけた練習試合は、何事も無く(?)無事終わった。
兵庫県へ何時間もかけた私たちは、クタクタの状態で家へ帰り、身体を休めた。
そして、いつもと変わらない日常へ……
なんてそんな甘いことは無く、私は飢えた雌共の餌食となった。
ねぇ先輩、何で呼び出されてんのか分かってますか?
呼び出されたのは、ベタな校舎裏。
私が可愛すぎて嫉妬したから。
ここはヒロインが男主人公に助けられるラブコメ漫画じゃねぇんだわ。
こういう展開マジ勘弁なんやけど。
お前の事可愛いなんて、誰も思ってへんわ。勘違いしないでください。
何?宮ンズと仲良うしとっから嫉妬しとん?
分かってるじゃないですか。
察しがいい私、やっぱモテるわ。
私は、侑くんの彼女なんです。これ以上侑に近づかないで。
まじか、侑。
こんな彼女おるとか、どんまい過ぎて泣けてくるわ。
束縛系彼女と、どうぞお幸せに。
ごめん、あんたの彼氏と仲良くしてて。気を付けるわ。
分かればいいんです。
野生のメスはどこかへ行ってしまった。
あなたさん、アイツに彼女なんている訳ないじゃないですか。
それぐらい分かっとるわ。
治は、窓から顔を覗き込ませている。
あんなん、真面に話してる方が阿呆らしいわ。
やんな。
てかこの間のおにぎり、また頂戴や。
ええですよ、あなたさんの為なら。
寒気するわ、そんな事言うキャラちゃうやろ。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。