第15話

守りたいという想いは
54
2024/05/21 22:41
  視点主:怜
氷華 怜
氷華 怜
…えっと
星澄 悠良
星澄 悠良
怜くんは何食べる?
昨日仲良くなった悠良に
おすすめのカフェへ連れてきてもらった。

僕はゾルベとしてずっとアンチサーカスにいたから、
全くわからないんだけどどうしよう…
星澄 悠良
星澄 悠良
はい!これメニュー!
氷華 怜
氷華 怜
あ、うん
星澄 悠良
星澄 悠良
値段も見つつ食べたいの探して!
氷華 怜
氷華 怜
う、うん
メニューを受け取る。

一度だけキララの買い物に付き合わされた事があるが、
こんな沢山の料理を見るのは初めて
氷華 怜
氷華 怜
わぁ…色々ある!
星澄 悠良
星澄 悠良
…?
星澄 悠良
星澄 悠良
怜くん、カフェとか来た事ないの?
氷華 怜
氷華 怜
そうだよ
星澄 悠良
星澄 悠良
(どういう家なんだろ…?)
星澄 悠良
星澄 悠良
(水兎ちゃんのいとこなんだよね…?)
何故か考え込むような悠良を横目にメニューを見る

チョコバナナパフェを見つけて悠良に伝える
氷華 怜
氷華 怜
!悠良、僕これにする!
星澄 悠良
星澄 悠良
お!チョコバナナいいね!
星澄 悠良
星澄 悠良
すみませーん!

注文も悠良が全てやってくれる

本当に助かるな…

星澄 悠良
星澄 悠良
モグモグ…怜くん、どう?
氷華 怜
氷華 怜
…✨美味しい、なんだこれ?!✨
星澄 悠良
星澄 悠良
なら良かった!

注文したスイーツが届き、食べながら話す

学校についての詳しいことや、
街のことを教えてくれた
星澄 悠良
星澄 悠良
複雑だけど…そのうち慣れるから!
氷華 怜
氷華 怜
ありがとう




星澄 悠良
星澄 悠良
…あ!
星澄 悠良
星澄 悠良
一番大切なこと忘れてた!
氷華 怜
氷華 怜
一番大切なこと…?













星澄 悠良
星澄 悠良
この街…たまに怪物が出て、
それを倒すプリキュアがいるの!
     "怪物"

その単語に心臓が跳ねる。

星澄 悠良
星澄 悠良
しかもそのプリキュア!
星澄 悠良
星澄 悠良
ゆらたちと同じ学校なんだよ?!

もう一度強く心臓が跳ねた

水兎たちが変身してる事を知ってるのか?
ただ同じ学校という事までしか知らないのか?

…「ゾルベ」という男を見たのか?

聞きたい。
でも、迂闊に聞くわけにもいかない。

星澄 悠良
星澄 悠良
実はゆら…未確認生物とか
研究するの好きなんだ✨
星澄 悠良
星澄 悠良
それで、怪物が出たって聞いて
こっそり見学したりしてたの
星澄 悠良
星澄 悠良
そしたらプリキュアが、
同じ学校だったんだよ!
そう話す悠良はいつになくキラキラしている。

とはいっても昨日からの仲だが。


そんな悠良を見ていると

彼女が見てきたであろう怪物のほとんどが
己の出したものだという妙な感覚に襲われる

…ゾルベだった事実が僕を今縛ってる




…そんな時

















         ドォォン!!!
氷華 怜
氷華 怜
…!!!
星澄 悠良
星澄 悠良
れ、怜くん大変!
星澄 悠良
星澄 悠良
怪物がこの辺で出たかも…!

まずい。

キララにしろシルバーキングにしろ、
確実に悠良をここから逃がさなければ。

あいつらが言わば「裏切り者」の僕を
放っておくとは思えない…!
氷華 怜
氷華 怜
悠良、水兎に連絡してくれ
氷華 怜
氷華 怜
いや、するより先に安全な所へ──





シルバーキング
シルバーキング
みーつけた
氷華 怜
氷華 怜
ッ!!!
シルバーキング
シルバーキング
やぁ、数日ぶりだね?
シルバーキング
シルバーキング
ゾルベ
星澄 悠良
星澄 悠良
…?
氷華 怜
氷華 怜
…っ、悠良早く!
星澄 悠良
星澄 悠良
う、うん…!
シルバーキング
シルバーキング
おっと、させないよ

ツマランナー
ツマランナーッ!!!
星澄 悠良
星澄 悠良
!!!
氷華 怜
氷華 怜
く…!
とっさに僕は悠良を引き寄せ

彼女を抱えて攻撃を避けた
星澄 悠良
星澄 悠良
わ…?!
氷華 怜
氷華 怜
悪い悠良、少し我慢してくれ
ツマランナー
オラァァァァァァァァァ!!!

そのまま、空中で全部避ける!!!
シルバーキング
シルバーキング
ほう
シルバーキング
シルバーキング
絶望が解けてもなかなかやるねぇ…
シルバーキング
シルバーキング
面白い
シルバーキング
シルバーキング
そこのお嬢ちゃんは逃げたまえ
氷華 怜
氷華 怜
?!…悠良、こんな機会今しかない
早く逃げて
星澄 悠良
星澄 悠良
う、うん!

     タッタッ…







氷華 怜
氷華 怜
っ…
氷華 怜
氷華 怜
なんでいきなりあんな真似を?
シルバーキング、こいつは
人の絶望を何よりも優先する。

悠良に危害を加えてきそうだから
早く逃げられるように頑張ってたんだけど

まさか向こうから「逃げろ」なんて
シルバーキング
シルバーキング
ふふ、まぁ彼女は
いい絶望の材料ではあったさ
シルバーキング
シルバーキング
でも…それ以上に
シルバーキング
シルバーキング
お前がその姿で・ ・ ・ ・どこまで戦えるのか…
見てみたくてね
氷華 怜
氷華 怜
つまりは
僕が逃げまどうのを見て楽しみたいってか…
氷華 怜
氷華 怜
相変わらず悪趣味な奴…
シルバーキング
シルバーキング
褒め言葉として受け取るよ
シルバーキング
シルバーキング
さぁ…始めようか?




       ヒュガッ!!!


真っ黒なリボンと、ツマランナーの伸びる腕。

どっちにも捕まったら終わり。


空中は動きにくいから、
できる限り地に足をつけて避けていく。
氷華 怜
氷華 怜
ッ、
シルバーキング
シルバーキング
さすがはスタントマンだな
氷華 怜
氷華 怜
チッ…僕はもうゾルベじゃないッ!!!
シルバーキング
シルバーキング
でも"事実"だからねぇ?

いつまで避けたらいいんだ…

でも足を止めたら捕まる。

プリキュアが来るまで耐えるしか…
氷華 怜
氷華 怜
く…っ
    ヒュオン!!!
シルバーキング
シルバーキング
ふふ、かかったね
氷華 怜
氷華 怜
え?
シルバーキング
シルバーキング
今のは幻影フェイクだ!

そうシルバーキングが言った途端




僕の体は、宙吊りになっていた
氷華 怜
氷華 怜
ッ…?!
氷華 怜
氷華 怜
(なんだ、今の…!!!)
シルバーキング
シルバーキング
ふはははッ!!!
お前…俺の役割を忘れているだろう?
氷華 怜
氷華 怜
…ッ、「マジシャン」か…!
シルバーキング
シルバーキング
その通り!お前はまんまと
俺のマジックにかかったって訳だ

両腕を頭上でツマランナーに掴まれ、
いくら踠いても逃げ出せない。

そんな僕をシルバーキングは嘲笑う。
シルバーキング
シルバーキング
その表情…いいねぇ
シルバーキング
シルバーキング
さぁ…どうしてやろうか?
頬にスルリと手を当てられる

気持ち悪い。
氷華 怜
氷華 怜
ッ、触んな…!
シルバーキング
シルバーキング
へぇ…
味を占めたのか、何度も頬を撫でられる

だからこいつ嫌いなんだよ…!
氷華 怜
氷華 怜
く、そ…ッ!離せよ!!!
シルバーキング
シルバーキング
やだね

シルバーキング
シルバーキング
にしても…さっきのお嬢ちゃんを
守ろうとずいぶん必死だったじゃないか
氷華 怜
氷華 怜
なんだよ…ッ
シルバーキング
シルバーキング
向こうはプリキュアの事は知ってても
お前の正体は知らないんだろ?
シルバーキング
シルバーキング
ゾルベだったことがバレてみろ
シルバーキング
シルバーキング
あっという間に離れていくぞ
氷華 怜
氷華 怜
っ…

シルバーキング
シルバーキング
ゾルベとしてのお前は…
一生お前の枷になるんだよ
氷華 怜
氷華 怜
…事実、その通りだ。

学校の皆が知ってるのは水兎のいとこの「氷華 怜」だ

ゾルベだったことなんて知らない…


…もし、知られたら──?
シルバーキング
シルバーキング
ふふ…いい表情になってきたじゃないか
シルバーキング
シルバーキング
安心したまえよ
お前が戻ってきた時には俺がいる
氷華 怜
氷華 怜
ッ…!!!
好き勝手言いやがって…!!!

でも僕の不安の気持ちもどんどん増していく。

誰か、はやく───





























キュアウィンディ
キュアウィンディ
プリキュア!ウィンディスマッシュ!!!
ツマランナー
ギャアア!!!
ツマランナーの腕が絶たれる…

って、着地!
氷華 怜
氷華 怜
う、危な…!
氷華 怜
氷華 怜
っ、皆…!
キュアウィンディ
キュアウィンディ
大丈夫ですか?!
キュアドロップ
キュアドロップ
悠良が呼んでくれたんよ
 
星澄 悠良
星澄 悠良
怜くん…!間に合ってよかった…😭
氷華 怜
氷華 怜
悠良…!
星澄 悠良
星澄 悠良
あのね、怜くん

星澄 悠良
星澄 悠良
過去なんて関係ないの!
星澄 悠良
星澄 悠良
怜くんにどんな過去があっても
ゆらが知ってるのは
「チョコバナナ大好きな怜くん」だから!
星澄 悠良
星澄 悠良
あんな奴に負けないで!
 
星澄 悠良
星澄 悠良
守ってくれて…嬉しかったよ!
氷華 怜
氷華 怜
…悠良…!

…皆、優しい。

僕の不安が、すっと消える感覚がする。



…助けてくれた皆の笑顔を守りたい。

力になりたい。

…ゾルベだった過去が
氷華 怜
氷華 怜
(変わらなくても…!!!)


       ピカーン!!!✴️
星澄 悠良
星澄 悠良
わ?!
シルバーキング
シルバーキング
…チッ、おいおい
シルバーキング
シルバーキング
そうなるのかよ…
氷華 怜
氷華 怜
あ…
僕の目の前に、
光が集まって───

皆が使ってるものと似た、ブローチが現れた。







…あれ…?

ここまで約2400文字…
なんでこうなった…(((((


皆が使ってるものと似たブローチってことは…ね!


次回予告!

大ピンチを乗り越えた怜の前に変身ブローチが現れた!
怜はシルバーキングに想いをぶつけるべく変身!
二人の戦いはどうなっちゃうの?!

次回!
「覚醒、キュアフロスティ!!!」

それではまた、次の物語でお会いしましょう!

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