視点主:怜
昨日仲良くなった悠良に
おすすめのカフェへ連れてきてもらった。
僕はゾルベとしてずっとアンチサーカスにいたから、
全くわからないんだけどどうしよう…
メニューを受け取る。
一度だけキララの買い物に付き合わされた事があるが、
こんな沢山の料理を見るのは初めて
何故か考え込むような悠良を横目にメニューを見る
チョコバナナパフェを見つけて悠良に伝える
注文も悠良が全てやってくれる
本当に助かるな…
注文したスイーツが届き、食べながら話す
学校についての詳しいことや、
街のことを教えてくれた
"怪物"
その単語に心臓が跳ねる。
もう一度強く心臓が跳ねた
水兎たちが変身してる事を知ってるのか?
ただ同じ学校という事までしか知らないのか?
…「ゾルベ」という男を見たのか?
聞きたい。
でも、迂闊に聞くわけにもいかない。
そう話す悠良はいつになくキラキラしている。
とはいっても昨日からの仲だが。
そんな悠良を見ていると
彼女が見てきたであろう怪物のほとんどが
己の出したものだという妙な感覚に襲われる
…ゾルベだった事実が僕を今縛ってる
…そんな時
ドォォン!!!
まずい。
キララにしろシルバーキングにしろ、
確実に悠良をここから逃がさなければ。
あいつらが言わば「裏切り者」の僕を
放っておくとは思えない…!
とっさに僕は悠良を引き寄せ
彼女を抱えて攻撃を避けた
そのまま、空中で全部避ける!!!
タッタッ…
シルバーキング、こいつは
人の絶望を何よりも優先する。
悠良に危害を加えてきそうだから
早く逃げられるように頑張ってたんだけど
まさか向こうから「逃げろ」なんて
つまりは
僕が逃げまどうのを見て楽しみたいってか…
ヒュガッ!!!
真っ黒なリボンと、ツマランナーの伸びる腕。
どっちにも捕まったら終わり。
空中は動きにくいから、
できる限り地に足をつけて避けていく。
いつまで避けたらいいんだ…
でも足を止めたら捕まる。
プリキュアが来るまで耐えるしか…
ヒュオン!!!
そうシルバーキングが言った途端
僕の体は、宙吊りになっていた
両腕を頭上でツマランナーに掴まれ、
いくら踠いても逃げ出せない。
そんな僕をシルバーキングは嘲笑う。
頬にスルリと手を当てられる
気持ち悪い。
味を占めたのか、何度も頬を撫でられる
だからこいつ嫌いなんだよ…!
…事実、その通りだ。
学校の皆が知ってるのは水兎のいとこの「氷華 怜」だ
ゾルベだったことなんて知らない…
…もし、知られたら──?
好き勝手言いやがって…!!!
でも僕の不安の気持ちもどんどん増していく。
誰か、はやく───
ツマランナーの腕が絶たれる…
って、着地!
…皆、優しい。
僕の不安が、すっと消える感覚がする。
…助けてくれた皆の笑顔を守りたい。
力になりたい。
…ゾルベだった過去が
ピカーン!!!✴️
僕の目の前に、
光が集まって───
皆が使ってるものと似た、ブローチが現れた。
…あれ…?
ここまで約2400文字…
なんでこうなった…(((((
皆が使ってるものと似たブローチってことは…ね!
次回予告!
大ピンチを乗り越えた怜の前に変身ブローチが現れた!
怜はシルバーキングに想いをぶつけるべく変身!
二人の戦いはどうなっちゃうの?!
次回!
「覚醒、キュアフロスティ!!!」
それではまた、次の物語でお会いしましょう!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。