第2話

2話
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2024/05/03 11:34 更新
飛んでくる糸を切りながら、魔族の方へと進む
ドラート
なんッ…俺の糸は魔族の中でも随一の強度を誇るんだぞ!
あなた
だから?
あなた
糸は切れて当然でしょ?
ドラート
ッッ…イカレてやがる…!
あなた
褒め言葉として受け取っておくね
私は飛んでくる糸を片っ端から切る
けれどトドメは刺さない
面白くないから
ドラート
と言うか、お前、杖を使わずにどうやって俺を殺すつもりだ?
あなた
え、杖を使わなきゃいけないの?
ドラート
お前魔法使いだろ?
あなた
うん
ドラート
基本的に魔法使いは杖を使って戦うはずだ
あなた
そう…
あなた
私の弟子も杖を使わずに魔法を発動できるのだけれど
私はなんのアクションも無く、まったりとゾルトラークを発動させる
リュグナー
リーニエ、ドラート!!
リュグナー
何をやっている!!
リュグナー
早くそいつを片付けろ!
ドラート
ッ!
ギリギリで防いだか
あなた
その反射力は認めよう
私はいつもの5分の1の速さでゾルトラークを放つ
ドラート
?!
あなた
だが、私の速射力の5分の1にすらも及ばない
一瞬で炭になった魔族に向かって言い放つ
一応、サイズにも気をつけて力を抑えたんだけどなぁ…
まさか1発で全身を覆う大きさとは…
改造の余地があるな
フェルン
終わりましたかあなた様
あなた
嗚呼、フェルン早かったね
フェルン
なにか考え事をしていたようですが
あなた
まぁ、魔法について
あなた
それだけだよ
私は聖書を開く
あなた
フェルン、手、出して
フェルン
フェルン
はい
私はフェルンの手を取って、傷を癒す魔法を使う
フェルンの肩の傷が癒えていくのを見た
あなた
体調はどう?
フェルン
まさか、聖書の魔法も使えるとは…
あなた
そこそこだよ
翌朝、フェルン達がフリーレンの方へ向かうのを見送った後、街の中央へと私は足を運んでいた
あなた
これまた結界術がお上手だこと…
私は細かなブレや、僅かな結界の綻びを魔法で治していく
お祭り景気なこの街は明るい
みんな楽しめるかな
私はベンチに座って、防御魔法の一角を改造する
あなた
これをあーして、こーして…
そして気がつけば時間が経っている
シュタルク
あなた、行くぞ
あなた
あれ、もうそんな時間?
シュタルク
まぁずっと集中してたな
あなた
研究には没頭しなきゃ損だよ
シュタルク
そうか
シュタルクはたくさんの荷物を抱えていたから、恐らく買い出ししていたのだろう
まぁ、四人旅になるからね
シュタルク
買い出し終わったぜ
シュタルク
途中であなたも拾った
フェルン
では行きましょうか
グラナト
もう旅立ちかフリーレン
フリーレン
グラナト卿
グラナト
門まで送ろう
後ろから歩いてきたグラナト伯爵が私達の横を通り過ぎ、前を先導する
グラナト
フリーレン
グラナト
お前は魔王城のある大陸最北端のエンデを目指しているそうだな
グラナト
だが、今は北部高原の情勢がだいぶ悪い様でな
グラナト
人の往来が制限されている
グラナト
冒険者の場合でも1級魔法使いの同行が必要だそうだ
フェルン
ならフリーレン様がいるので問題ありませんね
フリーレン
なにその1級魔法使いって?
フェルン
フリーレン様、知らないんですか?
フェルン
大陸魔法協会が認定する魔法使いの資格ですよ
フェルン
私も旅立ちのとき聖都で取得しました
フェルン
ほら、3級魔法使いの認定証
フェルンは認定証を取り出す
間違いなく本物だなぁ…
フリーレン
そういえばなんかやってたっけ
フリーレン
今の資格ってそんななんだ
あなた
フリーレン、流石に資格は取っておかないと捕まるかもしれないよ
フリーレン
フェルン
フリーレン様、まさか無資格の闇魔法使いだったんですか?
フリーレン
闇医者みたいに言わないでよ…
フリーレン
だって魔法を管理する団体ってしょっちゅう変わるんだもん
フリーレン
一々資格なんか取ってらんないよ
あなた
私全部の資格持ってますけど?
フリーレン
どうせこの聖杖の証ももう使えないんでしょ
フェルン
なんですかあこの骨董品は…
あなた
私も聖杖の証持ってるけど…
あなた
まあ、今の時代骨董品よりも骨董品してるよ
フリーレンがジャラと見せつけてくるのを私も出す
まあ、ほんとに使い物にならないんだけど
シュタルク
さすがの俺でも大陸魔法教会は知っている
シュタルク
少なくとも半世紀以上前からあるぜ
フリーレン
全然最近じゃん
あなた
人間からすればだいぶ前だよ
フリーレン
困るんだよね
フリーレン
頻繁に管理の基準を変えられちゃうと
あなた
今回の魔法協会は変わらないから取っておく価値はあるよ
フェルン
ともかくこのままでは先に進めません
フェルン
あまり詳しくは無いのですが、確か北側諸国でも1級試験が受けられる場所がありましたよね
グラナト
北側諸国最大の魔法都市オイサーストだな
グラナト
シュヴェア山脈を超えたずっと先だ
グラナト
街道沿いに進めばいいが長い道のりになる
グラナト伯爵は門の前まで本当に送ってくれた
グラナト
フリーレン、グラナト家はこの恩を決して忘れん
グラナト
良い旅を
シュタルク
雪だな
パラパラとかわいた雪が降り出す
この地方の雪は恐ろしいことになるぞ…
フリーレン
この辺の冬は厳しいから気をつけてね
フリーレン
舐めていると死ぬよ
フェルン
そんなに危ないんですか?
フリーレン
魔王軍との戦いで最も多くの人を殺したのは、北側諸国の冬だよ
私は静かに全員に体がポカポカする魔法を付与した
フリーレン
ほらね、迷った
私達は山脈を超えるために山脈に向かって歩いていたが、猛吹雪に見舞われた
フリーレン
どうしよう
フリーレン
シュヴェア山脈に入る前にそうなんとかしゃれにならないよ
フェルン
シュタルク様起きてください!
フェルン
寝たら死にますよ!
シュタルク
ジャンボベリースペシャルってこんなに小さかったっけ?
フェルン
知りませんよそんなこと!
フェルン
どうしましょう?
フリーレン
この強風だと魔法で飛ばして運ぶ訳にも行かないね
フリーレン
多分どっかに飛んでっちゃう
フェルン
担いでいくしかないですね
あなた
フェルン、辛くなったら私に言うんだよ
フェルン
ありがとうございます
そして足を進めること1時間
フェルン
重い
フェルン
なんでこの人こんなに重いんですか?
あなた
私が代わるよ
フェルン
ありがとうございます…!
フリーレン
麓まで行けば避難小屋があるはず…
フェルン
それ80年前の知識ですよね
フェルン
大丈夫なんですか?
私はシュタルクを担ぐと、魔法をかけて軽く浮かし、掴むように連れて行った
そして日が陰り始めた頃
フリーレン
よかった
フリーレン
まだ定期的に管理されているみたいだね
魔力探知には知っている気配が確認されていた
フェルン
人の気配がしますね
フェルン
先客がいるのでしょうか?
フリーレン
とにかく入るよ
フリーレン
このままじゃ氷漬けになっちゃう
フリーレンは扉を開ける
クラフト
ふん!
クラフト
ふん!
クラフト
いいッ!
クラフト
いいぞぉ!
クラフト
温まってきたぁ!!!
フリーレン
お邪魔します
あなた
お!
あれは…!
バタン
扉はフェルんによって閉められた
フェルン
フリーレン様、あなた様、ここは駄目でございます
フェルン
他を探しましょう
フリーレン
えー
フリーレン
なんで?
フェルン
中に変態が居るからです
ドアが開かれる
クラフト
変態とは心外だな
フェルン
行きますよ、フリーレン様、あなた様
クラフト
?!
クラフト
あなたって言ったか?!
あなた
やっぱりクラフトか
フェルン
知り合いですか?
あなた
私の曽姪孫そてっそん
あなた
血縁だよ
クラフト
同族と会うのは300年振りくらいだな
クラフト
あなたさんと会うのは3000年振りぐらいだが…
あなた
久しぶりだよね
クラフト
エルフはもう絶滅したのかと思っていたぞ
フリーレン
私もだよ
あなた
まぁ、絶滅には向かってるよね
クラフト
嬢ちゃんも火をありがとうな
クラフト
魔法使いと会えたのは女神様の導きだな
クラフト
シュヴェア山脈を超えてきたんだが、この吹雪で火種を失ってしまってな
クラフト
凍える小屋の中、スクワットで命を繋いでいたんだ
あなた
クラフトらしいなぁ…
フリーレン
なるほど
フェルン
よくわからないんですけど…
クラフト
武道僧のクラフトだ
フリーレン
魔法使いフリーレン
フェルン
同じく魔法使いのフェルンです
フェルン
こちらは戦士のシュタルク
あなた
知ってると思うけど、私は魔法使いのあなた
クラフト
しかし、魂の眠る地…天国を目指す旅か
クラフト
信仰心の篤いのはいい事だ
フリーレン
半信半疑だけどね
フェルン
フリーレン様、シュタルク様の体温が…
時が流れるのは速い
あっという間に半年が経って、旅を続けられる時期になっていた
クラフト
俺はこっちだ
クラフトは私達の行く方とは反対の方を指さしていた
クラフト
フリーレン
クラフト
今生の別れとは思わん
クラフト
何百年後かに、またな
あなた
また会おうね、クラフト
クラフト
嗚呼、あなたさん
私達は反対の道へと足を進めた
あなた
時間が経つとはあまりにも早い事だよ…
シュタルク
あれが北側諸国最大の魔法都市オイサーストか
ザインさんに会って、そのまますぐに別れたことしか記憶にない
嗚呼、本当に時間が経つのは速い

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