僕は目の前にある建物を見上げた。
ーPlaytimeー
大きな文字でそう書かれている。
ここが僕がかつて勤めていた「Playtime社」のおもちゃ工場だ。入口の上にあるPlaytime社のロゴを見つめながら息を吐いた。
あの事件の真実とは何なのか。従業員はどこに行ったのか。あの手紙の意味はなんだったのか。
それを確かめるために、工場に入ることを決意した。
工場の中はあの頃とあまり変わっていないようだ。しかし、かなり荒れていた。おもちゃが散乱していて、散らかっている。
そんな中、僕の目を惹いた物がある。
壁に描かれている青色のキャラクター。Playtime社の看板商品、「ハギーワギー」である。
「Playtime社」の商品で最も売れた商品で、「みんなを永遠に抱きしめることができるおもちゃ」というものを実現したおもちゃである。子供を抱きしめるのに最適な大きさで、大ヒットした理由はきっとそれだろう。
ハギーワギーは青い毛で覆われた身体、長い手足、赤く厚い唇が特徴である。ハギーは長く子どもたちに愛された。
もちろん、僕もその一人だった。
あの時のハギーはどうなったのだろうか。あの時、どうすれば良かったのだろうか…
その時、頭上から音がした。
ポッポー
少し場違いな音が響いたと思ったら天井付近に敷かれた線路の上をおもちゃの列車が走り始めた。緑、ピンク、黄色、赤の順番で車両が繋がっている。
列車を目で追っていたら一つのドアが目に入った。
ドアの横には様々な色のボタンが並んでいる。
緑、黄色、水色、赤、紫、青…
…緑、黄色…うん?まさか?
試しにボタンを押してみることにした。
ズズ…
ドアが開いた。
どうやら進むのには仕掛けを時ながら進む必要があるらしい。
首をかしげながら、ドアの中に入った。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。