彰人は前へ振り返り歩いていった
家に帰るまでに、少しだけ、あの時のことを思い出しながら、考えた。
部屋に着くと、私はベッドに向かって倒れた。
俯きになって、あの頃の事を考える。
集中するために、目を瞑る
中学2年生、まだなって間もない頃
本当に、この頃は、良かったな
お互いに、信頼し合っていて、仲が良くて。
まさかあんなことになるなんて、誰が思うの
私はギリッとあの人達を睨んだ
この頃も良かった。
あのいじめっ子たちは、穂波に限らず、常日頃からクラスメイトにいちゃもんをつけている先生ですら手が出せないような問題児で、いじめの証拠はあるのにずっと告発できなかったから。証言人として、私がいて良かったと思った
この時は、そう思ったんだけど
ものすごく腹が立つ。私が仕事している時も彼女は仕事をせず何かと穂波についての悪口や罰を与えるべきとか何とか騒いでたな
なんで、穂波に対してあんなふうなのだろうか
穂波は、恨みなんて作る子には見えないのに。
だとしたら、ただの嫉妬かな
どちらにしても、クズだ
そうして、ある日―――
気づいたら、瑞希がコンコンとドアを叩いて、入ってきた


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!