雲雀くんは、そう言うと私たちの方に近づいてくる
私が雲雀くんの方へ行こうとした瞬間、
奏斗がそれを遮るかのように私を奏斗の背中で隠す
目の前にいる雲雀くんは最初に話した時と、明らかに
違う雰囲気が漂っていた
あぁ、怖い
そういうと雲雀くんは奏斗を押しのけて私の手を引っ張る
奏斗の言う通りかもしれない
きっと私は雲雀くんに何かをされる
だって、奏斗と話しちゃったから
でも……それでも...
奏斗の声がしたけど、私は後ろを振り向かない
心配してくれているんだろうな
私は、雲雀くんに手を引っ張られながら、どこかに連れていかれる
彼の背中は怒りを含んでいたような気がした
fur side
僕はあなたの下の名前を呼び止めることができなかった
僕の配慮が欠けていた
空き教室のドアは鍵を閉めたのに雲雀は何故か部屋に入ってきていた
おそらく、僕があなたの下の名前を連れ出し、雲雀を別れさせようと
説得するのを見透かしているようだった
あなたの下の名前は鈍感だから、鍵がかかっている空き教室に
なぜ雲雀が入ってきたのかなんて分かっていなさそうだった
あなたの下の名前は多分、雲雀に見つかることを恐れて、
雲雀に僕と話していることを見られたから恐怖心しか
なかったのだろう
雲雀に脅えながら、学校生活を送る
あなたの下の名前を見ていられなかった
あなたの下の名前はまるで雲雀に洗脳されているかのようだった
僕じゃ……僕だけじゃあなたの下の名前を救えない
だから僕はある人に協力してもらうことにした











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!