個室が静まり返る
そして、ミンジュさんは横にいるスングァンへと視線を移した。
あなたの顔が頭に浮かぶ
あの時気づいてた。
あなたとミンギュの間に流れる、わずかな違和感に。
だけど、一度引き下がった。
胸の奥が締めつけられる。
椅子に座っているのが、もどかしい。
気付けば俺は立ち上がっていた
スングァンの声を背に
財布から札を抜き、テーブルに置く。
何を言うかなんて考えてない。
だけど、今すぐあなたに会わなくちゃいけない。
俺は振り返ることなく、店をあとにした。
パンのことを嬉しそうに語る姿も。
好きなことに一生懸命なその小さな背中も。
俺を何度も救ってくれた、あのくしゃっとした笑顔も。
全部、俺が守る。
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~seungkwan side~
勢いよくヒョンは店を飛び出して行った。
でもまさか、ヒョンが想いを寄せるあなたさんの彼氏がDV気質だなんて…
しかも、その男がヌナの元カレで。
ヌナにも、あんな過去があったなんて。
正直、頭が追いつかない。
だけど、なんで最初から僕に言ってくれなかったんだろう
何か事情があったとしても
やっぱり寂しくて、悲しくて
きっとヌナからすれば、僕は頼りない彼氏なんだろうな
外の喧騒とは裏腹に、やけに静かな個室
そんな中、下を向く僕の手を
ヌナの手がそっと包み込んだ。
嗚呼、こんな時こそ
「全然いいよ」って
さらっと言えたらいいのに。
なのに僕は、子供みたいに口を尖らせて
首を横に振ってしまう。
そんなことあったかな…
すると、ヌナの目が少しだけ揺れた
ヌナが苦しくて悩んでた時も
僕のこと気遣ってくれてたんだ
なのに、僕最低だな
その瞬間、
ふわっといつものヌナの香りに包まれた
ヌナの背中に腕を回した
腕が離れると、優しく微笑むヌナと目が合った
ふふっとヌナが笑う
その笑顔につられて僕も口元が緩んだ















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。