あの日から2日が経った。
俺はスングァンとミンジュさんと
会社近くの個室居酒屋にきていた。
そう言って、ミンジュさんを見る。
ミンジュさんは、小さく頷いた。
それを聞いたスングァンは眉を顰める。
不安そうな表情を浮かべながらも
スングァンは口を閉じた。
ミンジュさんはその様子を見て
静かにこちらへ向き直る。
逃げも迷いもない
まっすぐな視線を向けてこう言った。
あの時、出会った男。
あなたに冷たく感情のない視線を向けていたあいつ。
その言葉に息が詰まる
名前を出すと、ミンジュさんは頷いた。
そして淡々と、過去を語り始めた。
━━━━━━━━━━━━━━
最初は、少し心配性なだけだと思っていた。
けれど仕事が忙しくなり、会う頻度が減るにつれて
束縛は目に見えて強くなった。
言葉は鋭く、態度は荒くなり、
やがて、触れ方まで変わった。
ミンジュさんの顔が少し引き攣った
すぐに限界がきて別れを決めた。
でも、話し合いで終われる相手じゃない。
“別れよう”
その一言をカカオトークで送って、姿を消した。
幸い共通の知り合いはいなかったし、職場にも事情を話して支店を変えてもらい、隣町に引っ越した。
ゆっくりと視線が落ちる。
そしてゆっくり顔を上げた。
息を飲んだ
あの時に初めて見た怯えた表情。
そして、首元の隠しきれない痣。
疑念が、確信に変わる。
声が、ほんの少しだけ揺れる。
そして小さく息を吐いた
握り潰されたような痛みが
胸を締め付ける
偶然が重なって
運命だと、勝手に思い込んで
少しだけ、期待していた
歪んだ愛だとしても
それでも「好き」だと、言ってしまう彼女
険しい表情へと変わる
小さく頷き
その声が、わずかに低くなる
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!