あなたは酷く取り乱し
目に見えて怒っていた
それに対し椿妃は
冷淡と自分の妹を見つめていた
これには晴明も驚いたようだった
今まで
あなたが怒りで取り乱す事なんてなかったから
だが、
あなたの怒りに驚いたのは
椿妃の方だった
椿妃は混乱していた
妹が自分を空気みたいに扱っている
椿妃は混乱していた
だって姉ならこんな風にはしないのに と
そして結論を出した
自分の妹を変えたのは安倍晴明
そうゆう解釈になった
だがあなたの怒りが増しただけだった
あなたが狸塚を保健室に連れて行こうとした
あなたが椿妃の前から離れようとした
けれど椿妃には
それが許せなかった
『 なんでみんな私の前からいなくなってしまうの 』
先程までは無関心だった あなたも
流石に驚いた
その時、椿妃は呪文を唱えた
椿妃が何かつぶやくと
あなたの術円が出来て
あなたの胸にブラックホールのようなものが出来た
すると一瞬だけ、
あなたの髪は白金色になり、
目の色は変わったようだった
『 ツクヨミの結界で待ってる 』
そして椿妃は
自ら桔梗の結界へ入った
あなたは混乱していた
なんでお姉様が結界を開けられた
なんで私に会いに来た
なんであの人の封印が解けた
なんで
なんで
どうしてッ!!!
あなたが過呼吸になった時
晴明が手を伸ばした
あなたは思った
晴明は太陽だ
絶対に、絶対に
晴明と約束した
必ず私が守る と
今度こそは守ってみせると
あなたはゆっくりと立ち上がり
まずは怪我をした狸塚の所へ行った
その時あなたは
晴明に恋するがゆえに
皆に本当に愛されているがゆえに
禁じられた秘術を使った
" 君死事勿 "
あなたがツクヨミから呪われた証であり
使えば使うにつれ
ツクヨミの代わりに
" 神に近づく "
だが、あなたは妖怪であるゆえに
その代償は重い
そして 神は恋することを許されない
あなたが本当に皆に愛されているがゆえに
また、あなたはすでに晴明に
恋をしていたために罪と罰をうける
神々では恋愛は重罪だ
あなたは神になると
ほぼ100の可能性で死に至る
しかし、神に成りとて
他者を愛さねば済む話
あなたが他者を愛さずにいられるか
あなたは誰にも本心がバレないように
自分自身をも化かして
優しく笑った
あなたはいつものように明るく元気だ
あなたはスタスタと教卓の前に立ち
別れの挨拶をした
あなたはみんなに
深々と頭を下げた
皆は何も言えなかった
それは椿妃が心底怖かったからでは無い
あなたがどんな覚悟で
深々と頭を下げ謝っているのかが
よく分かっていたからだ
みんな、みんなだ
みんなが同じことを考えていた
だがあなたは別れを切り出した
これは自分の為じゃ無い
自分の愛した者を守る為だ
あなたはイタズラっぽく笑って
晴明に飛びつき思いっきり抱きしめた
あなたは目を瞑った後、
晴明の顔を見た
最後の最後に
あなたが視たのは
いや、
ずっと見たかったのは
晴明越しに視た
晴明の照れ顔だった
あなたは大笑いした後
少しだけ、ほんの少しだけ悲しそうな顔になって
晴明から離れた
晴明はまだ顔の赤みが取れていなかった
それを見てあなたは にこっ と笑い
晴明に最後の言葉を述べた
その時、
バンッッ!!!!
勢いよく教室の扉が開き
学園長が椿妃の拘束術から
抜け出し
走ってあなたに会いに来た
学園長は喧嘩ごしだった
だかいつもとは違う、焦った口調にも聞こえた
あなたは今まで学園長に
ここまで冷静に敬語で話した事があっただろうか
学園長にもそれが伝わり
ギリッ と奥歯を噛んだ
" あなたが教師を辞めるといった "
学園長は生徒や晴明くんの前なのに
荒っぽい口調で素顔を表にして
あなたを怒鳴った
その時、ずっと笑顔を保っていたあなたが少し、
泣き出しそうになった気がした
そしてあなたは
ベランダの方に歩き出した
そしてあなたはベランダの下をましまじと
見つめ
飛び降りた
学園長と晴明は手を伸ばした
けれど 届かなかった
あなたは落ちる前に
ゆっくりと瞼を閉じ
最後に、
最愛の人を想った
『 ねぇ 晴明様 』
もし貴方が生きていたら怒ったかな
それとも泣いてくれたかな
全部想像出来ないの
怒った貴方も、
泣いてる貴方も、
ずっと貴方が分からなかったの
でも、でもね、
晴明くんが教えてくれたの
九尾の癖に
" 炎が出せない私を "
晴明様
ねぇお願い
貴方に言いたいことがあったの
言いたいことがあったのに
だが、あなたは地面に落ちる事無く
姉のいる場所
ツクヨミの結界へ入った
最後に残ったのは
ちゃりん、
五芒星の耳飾り
だけだった
アンケート
貴方はここから先、どんな秘密も受け入れますか?
受け入れる
98%
受け入れられない
2%
投票数: 554票
アンケート
狐に化かされる覚悟はありますか?
ある
95%
ない
5%
投票数: 452票













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。