長尾side
はよ寝ろよ。
そう言いたい気持ちをぐっとこらえて、みっちーが
布団に入るのを待つ。
俺はスマホをいじりながら、みっちーの様子を観察。
...........ずーっと台本読んどる。
まー、こうなることは予想してたけど。
ふっ、とみっちーが顔を上げる。
お!?寝るんちゃう!?✨
道枝「長尾?」
長尾「なに?」
道枝「長尾って、寝るの意外と遅いんやね」
長尾「...........」
あんたのせいや!
..............とは言えない。
長尾「そ、うかなー?もうちょっとしたら寝るけど.........みっちーこそ遅いんやね、」
道枝「そう?台本一通り読んだら寝ようと思ってるんやけど、」
台本、一、通り.........?
ちらっとみっちーの手元にある台本を見る。
あ、あと半分くらい残ってるけど........?
長尾「こ、これ全部読むん!?明日じゃダメなん?」
道枝「ぇ、まぁ、流れを確認する程度に........流し読みってやつ?」
.............まぁ、それなら早く終わるか。
道枝「ごめん、長尾寝る?」
長尾「えっ」
道枝「電気明るくて寝れへんよな、ごめんな、消そうか?」
長尾「ぁ、いや、」
...............変に気を遣わせてしまった。
長尾「だっ、大丈夫!俺明るくても寝れるから!」
...........ウソ、どんなに暗かったとしても寝られへん。
道枝「ほんまに........?」
長尾「じゃー見とき?笑 おやすみ!」
みっちーには背を向けて、布団を潜り込んだ。
これで、みっちーが寝静まってから薬飲むか............
スー スー スー スー
3、40分くらい経ってから、規則正しい寝息が
聞こえ始めた。
寝た............かな。
カバンから薬を取り出して、水で流し込む。
そして、もう一度布団に入った。
チリリリン チリリリン
スマホのアラームが鳴る。
長尾「...........ん、」
起きな、
うっすら目を開けると、白い─────顔!?
長尾「わっ!?」
思わずベッドの上で転がって、端による。
ななななななな、なにっ!?
..................って、よく見たら。
長尾「みっちーやん........」
道枝「長尾って意外とビビり?笑」
ペロン、とパックをはずす。
長尾「それは誰でもびっくりするやろ........」
バクバクしている心臓に、思わず手を当てる。
道枝「─────寝れた?」
長尾「えっ」
一瞬、ドキッとしてしまう。
みっちーは、ただ、聞いただけ、やんな........?
長尾「う、─────っ、!」
よく、見ると、みっちーの手には睡眠薬と書かれた薬の袋が。
長尾「な、なんで、それ、っ」
道枝「長尾のベッドの近くに置いてあったから。勝手に見てごめんやけど.........睡眠薬、使ってるん?」
長尾「ぃ、いや、っ?一応、その、使うかなー.....って、」
道枝「使用済み」
と言って、個包装の袋を前に差し出す。
長尾「...........っ、」
ばれ、た。
道枝「長尾。
─────なんか、悩んでる?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。