第83話

続き
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2024/04/16 12:00
長尾side 




─────俺は、今最大のピンチに陥っている。


ツアー前の、ホテル。


俺たち なにわ男子は、向かい合って真剣な表情。


あと、大吾くんと流星くんに勝てば..........


1人部屋ゲットだ。


.........そう。


俺たちは今、1人部屋をかけて、じゃんけんをしている。


そして、丈くん、大橋くん、みっちー、恭平に勝ち、ここまで進んできた。


なんでそんなに1人部屋がいいかって?


薬飲んでるとこ見られたらヤバイやろ.......


こっちだって薬飲むとこを見られないかソワソワして、


飲んでても寝られへんくらいかもしれん。


.....................心配もかけたくないし。


西畑「じゃ、いくよ?」


ごくん、と喉を鳴らす。


「最初はグー!」


「じゃんけん」


「ぽい!」


パー、グー、グー。


絶対勝ったと思ったやろ?


俺、パー出したと思ったやろ?


残念、


グーです。


長尾「うわぁぁマジかぁ」


横で、大吾くんも一緒にうなだれる。


流星くんは嫌みに見える満面の笑みで、大吾くんに


パーを見せつけていた。


西畑「........じゃーまたじゃんけんやな」


ここも、勝負。


グー・チョキ・パーを出して、同じものを出した人が、


今日、部屋で一緒に過ごす相手だ。


ここは、早く寝そうな恭平がええ。


なに出すんやろ?


そういえば、大体いつもグーを出してる気が。


よし、グーだ。


「じゃんけん」


「ぽん!」


藤原「うわ、マジかぁー」


大橋「やったな!」


おお、丈橋。


丈くんめっちゃ嫌がってるの演じてるけど、にやけてんのバレバレやで。


さて。


グーが3人いたからもう一回や。


「じゃんけん!」


「ぽん!!」


恭平はいつでもグーだった。


だから俺もグーにした。


高橋「おおっ」


出した手をそのまま持ってって、天に突き上げる。


................その手は、チョキだ。


いや、なんで!?


いっつもグーやんか!


自分の手をわなわな震わせながら、相部屋になった、高身長イケメンを見た。


道枝「よろしく、長尾」


.........................ぜっったい寝るの遅いやん。


台本とか、スマホ見て寝るのが遅そう。


早かったらええけど。


西畑「謙杜?みっちーで良かったやん、笑 なんでそんな嫌そうな」


長尾「ふえっ、いや、別に、嫌、じゃないけど.............イヤ、」


道枝「いやどっち!?」


大橋「謙杜いつもみっちーにデレやのになぁ」


いつもなら喜んだ背中に飛び付いたけど、っ!


今日は違うんや!


と、言えるはずもなく。


長尾「イケメンやから緊張すんねん!」


と、少し驚いた様子のみっちーに叫んだ。


............いや、そんなこと思ってないで?


みっちーに緊張なんて、一回もしたことないわ。


理由言わなあかん雰囲気やったからな。


とりあえず、みっちーが早く寝てくれるとええな、

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