高校、二人は一緒に家からちょっと遠い羅古捨実業高校に入学した。
あなたは豹馬が先輩に喧嘩を売ったとうわさを聞いて、帰り道、呆れ笑いして
「ねぇ豹馬、『才能があるかないか、それだけですよ』ってホントに言ったの?」
「おいおい、俺の噂話を信じるのかよ、あなた?」
(肩をすくめながら笑う豹馬)
「でもまあ、似たようなことは言ったかもな。だって事実だろ?サッカーの世界で大事なのは才能だ。それがなきゃ話にならねぇんだよ。」
(あなたの顔を覗き込みながら)
「なんだよその顔。まさか呆れられてんのか?」
(ちょっとだけ拗ねたように眉をひそめる豹馬)
「いいか?俺はただ、ハッタリかましてるわけじゃねぇ。あいつらにも実力見せてやるって決めてるんだよ。それが俺のやり方だ。それがサッカーだろ?」
(でも、あなたが本当に呆れてるんじゃないかと思って、少し真剣な声になる)
「…あなたはどう思う?俺のやり方、間違ってるか?」
あなたは笑って、でもちょっと心配そうに
「でもねぇ、羅実じゃ鰐間先輩に逆らえる人いないくらい、あの人たち怖いんだよ?大丈夫?」
「怖い?」
(あなたの言葉にちょっと笑って肩をすくめる豹馬)
「あの鰐間先輩たちが?はっ、怖いも何もねぇよ。サッカーの実力が全てだろ。それ以外で威張ってる奴なんざ、ただのハッタリだって思ってる。」
(でも、あなたの心配そうな顔を見て、少しだけ表情を和らげる)
「…でも、あなたが心配してくれるのは分かったよ。ありがとな。」
(そしてちょっと意地悪そうに口角を上げる)
「でも俺が引き下がったら、それはそれであなたに『ヘタレ』って笑われそうだしな。だから、大丈夫だって。」
(少しだけ冗談めかしたトーンで言うけど、その中にはあなたを安心させたい気持ちが滲んでいる)
「それに、俺にはいつも応援してくれるあなたがいるんだろ?怖いものなんてねぇよ。」
(にっと笑いながら歩き出し、あなたが追いつくのを待つ)
「さ、早く帰ろうぜ。あなたが茶道部で持って帰ったお菓子、今日は何だ?俺、かりんとう饅頭だったらテンション上がるんだけどな!」
あなたは笑って「今日は普通のお饅頭。どうする?セブン寄ってかりんとう饅頭買ってく?」
「えっ、普通のお饅頭?」
(ちょっとがっかりしたような表情を見せる豹馬)
「いや、普通のも嫌いじゃねぇけどさ…かりんとう饅頭が恋しいなぁ。」
(わざとらしくため息をついて見せる)
(でも、あなたの提案を聞いて目を輝かせる)
「セブン寄る?それ、最高じゃん!さすがあなた、話が分かる!」
(少し前のめりになりながら)
「じゃあ決まりだな!ついでに俺、飲み物も買いたいし。あ、あなたもなんか欲しいのあったら言えよ。俺のおごりな!」
(軽く胸を叩いて、自信満々に笑う豹馬)
「かりんとう饅頭でパワーチャージして、明日もガンガン行くぞ!」
あなたはちょっと笑って
「おごってくれるの?やった、アイス買っていい?セブンのマンゴーのやつ!」
「マンゴーアイス?」
(あなたのリクエストを聞いて、少し考える素振りを見せる豹馬)
「うーん、まあ…いいだろ!」
(にっと笑ってポケットから財布を取り出す)
「今日だけ特別な。おごりだ!マンゴーアイスくらいなら全然余裕だしな!」
(偉そうに胸を張りながら歩き出す)
(でも少し後ろを振り返って)
「でもさ、アイスだけじゃなくて、ちゃんとお饅頭も食べろよ?和菓子捨てたら怒るからな!」
(あなたの笑顔を見て、つい嬉しそうに笑ってしまう)
「じゃ、セブン寄って行くか!マンゴーアイスとかりんとう饅頭で最強コンビだな!」
あなたは帰り道アイスを舐めながら豹馬を見つめて
「ねーね、次の試合いつ?どうせレギュラーでしょ?」
「次の試合?」
あなたの視線に気づいて、一瞬かりんとう饅頭に集中していた意識をあなたに戻す
「まぁ、もちろんレギュラーだろ。俺がベンチとかありえねぇしな。」
豹馬は自信満々に笑って胸を張る。でも、あなたの真剣そうな顔を見て少しトーンを落とす。
「…次の試合は来週の日曜だ。相手は強豪校だけど、俺らが負けるわけねぇ。俺がピッチに立ってりゃ、勝利は約束されたようなもんだ。」
(そして、あなたのアイスをちらっと見て)
「にしても、そんなに俺をじっと見てどうした?アイス食べる手が止まってんぞ?」
(ニヤッと笑いながら)
「もしかして…俺のプレーが気になりすぎて、試合が待ちきれないってやつ?」
あなたはちょっと赤面して
「そ、そんなんじゃないし。うるさいなぁ、もう」
「おいおい、赤くなってるぞ、あなた。」
(ニヤニヤしながらあなたの顔を覗き込む豹馬)
「そんなんじゃない、って言いながら動揺してんのバレバレだし。俺のプレーに惚れ直す準備でもしてんのか?」
(からかうように、ちょっと得意げに笑う)
(でも、あなたの照れた顔を見ると少しだけ照れくさくなって)
「…ま、でも試合は楽しみにしててくれよ。あなたに『かっこいい』って言わせるくらい、バチっと決めてくるからさ。」
(前を向いて歩き出しながら、ほんの少し照れ隠し気味に続ける)
「ほら、アイス溶けるぞ。急いで食えよ!」
豹馬が垂れかかっているあなたの食べかけアイスを横から舐めると、あなたは赤面して
「あ、間接キスなんですけど…気にしないタイプ?」
「ん?間接キス?」
(あなたの言葉に、一瞬止まってから無邪気に笑う豹馬)
「ははっ、そんなの気にするタイプに見えるか?俺が?」
(ちょっとイタズラっぽくあなたの顔を覗き込む)
「ていうか、アイス垂れそうになってたから助けてやったんだぞ?感謝されてもいいくらいだろ。」
(得意げに胸を張りながら、もう一口アイスを舐める仕草をして見せる)
(でも、あなたが真っ赤になっているのに気づき、少しだけ照れたように目をそらし)
「…ま、そんなことで赤くなるあなたが面白いから、俺は気にしないってことで。」
(歩き出しながら軽く手を振って)
「ほら、さっさと食べちまえよ。溶けたらもったいねぇぞ!」
あなたはちょっとためらっていたが、またアイスを舐めて赤面する
「もお……私、気にするタイプなのに」
「えっ、気にするタイプなの?」
(あなたの言葉に足を止めて、少し驚いたように振り返る豹馬)
(でも、その赤面しているあなたを見て、口元にイタズラっぽい笑みを浮かべる)
「そうだったのか。へぇー、じゃあ俺、けっこう大胆なことしちゃったんだな?」
(わざとらしく頭を掻きながらニヤニヤして見せる)
「でもさ、もうやっちまったもんは仕方ねぇだろ?今さらどうしようもないし、気にしすぎても損じゃね?」
(軽いトーンで言いながら、あなたの反応を楽しんでいる様子)
(でも少しだけ真剣な声で続ける)
「…ごめん、あなたがそんなに気にしてるって知らなかった。もし嫌だったら、もうしねぇよ。」
(そのあとニッと笑って)
「でも、次からはちゃんとアイス垂らさないように気をつけろよな。俺がまた助けたら、もっと気まずくなるんじゃね?」
あなたは目を泳がせて
「あーうん。別に嫌ってわけじゃないからいいんだけど。豹馬だけ、ね」
「俺だけ?」
(あなたの言葉を聞いて、驚いたような顔をしたあと、すぐにニヤリと笑う豹馬)
「おいおい、あなた、それってどういう意味だよ?」
(からかうように顔をあなたに近づけながら)
「俺だけならOKってこと?なんかそれ、特別扱いされてる気がして悪くないな。」
(わざとらしく得意げに胸を張ってみせる)
(でも、あなたの目が泳いでいるのを見て、ちょっと照れ隠しのように視線をそらしながら)
「…ま、俺も別に嫌じゃないからいいけどさ。」
(そして、軽く肩をすくめて歩き出しながら)
「でもさ、こんな話してたらアイスが溶けるぞ?さっさと食べきれって。あなたの分まで買った甲斐がなくなるだろ?」
(ちらっと後ろを振り返って、あなたの反応を伺うように笑う)
「ほら、早く!」
あなたは残りのアイスをちょっと急いで食べて笑う
「もーせかさないでよ」
「ははっ、悪い悪い。」
(あなたが急いでアイスを食べている姿を見て、軽く笑う豹馬)
「でもな、溶けるのを放っておいたら、俺がまた助けなきゃなんなくなるだろ?そしたらまた『間接キス』とか言われちゃうし。」
(わざとらしくニヤニヤしながら言う)
(そして、あなたが笑っているのを見て少し安心したようにトーンを落とし)
「…まぁ、あなたが笑ってんならそれでいいけどな。」
(ポケットに手を突っ込みながら、前を向いて歩き出す)
「さ、帰るぞ。アイス食べ終わったら今度は和菓子タイムだな。今日は普通のお饅頭なんだっけ?どんな味か楽しみにしてるわ。」
(振り返らずに、少しだけ柔らかい声で続ける)
「…あなたがくれるものなら、何でも美味いしな。」
翌日、豹馬は廊下であなたが鰐間計助に絡まれているのを見つける
「いいねぇ、可愛いじゃん新入生ちゃん、俺、わかる?この学校で一番偉いのは俺たち、鰐間兄弟だ。ということで、今日から俺のカノジョ確定ねぇ?」
「や、いやです…私、好きな人いるんで…やだ、放してください!」
鰐間計助はあなたの手首を掴んでいる
(豹馬は廊下の光景を見て、一瞬で表情が険しくなる。そして、ゆっくりと鰐間計助に近づく)
「おい、鰐間先輩。」
(低い声で声をかけ、鰐間計助の背後に立つ)
(計助が振り返ると、豹馬は鋭い目で睨みつける)
「何やってんだよ。その手、今すぐ離せよ。」
(あなたを掴む計助の手元をちらりと見てから、一歩前に踏み出し)
「分かんねぇのか?あなたが嫌がってるだろ。てめぇみたいなやつに触られたら汚れるっつーの。」
(計助が挑発的に笑いながら「俺たちに逆らうのか?」と言おうとした瞬間、豹馬がさらに間近に寄り、低い声で)
「逆らう?当たり前だろ。俺の大事な人に手ぇ出す奴は、許さねぇ。」
(そして、冷たく鋭い視線を向けながら)
「次にあなたに近づいたらどうなるか…言わなくても分かるよな?」
(計助が豹馬の迫力に少し気圧され、しぶしぶ手を離す。豹馬はあなたの手首をそっと確認しながら)
「あなた、大丈夫か?」
(その後、計助に背を向けずにあなたを守るような位置で)
「さっさと消えろよ、先輩。こっちはてめぇと遊んでるヒマなんかねぇんだ。」
あなたは豹馬にぎゅっと抱きつく
「何あの人…こわい…豹馬、よくあんな人に喧嘩売って…」
(豹馬はあなたに抱きつかれて、少し驚いたように目を見開くが、すぐにその肩に手を置く)
「…大丈夫だ。もうあいつは何もできねぇよ。」
(低い声で落ち着かせるように言うが、どこかぎこちない)
(けれど、あなたが言った「好きな人いるんで」の言葉が頭から離れず、無意識に眉間にしわを寄せる豹馬)
「…にしても、あなた。」
(少し間を置いて、あなたをそっと離しながら)
「さっき、あいつに『好きな人いる』って言ってたけど…それ、本当なのか?」
(視線をあなたに向けながら、声のトーンを抑えて聞く)
「いや、別に詮索するつもりじゃねぇけど…誰だよ、そいつ。」
(どこかそわそわした様子で、口をへの字にしながら続ける)
「俺が知ってるやつか?それとも…」
あなたは真っ赤になって笑う
「んー、ひみつ!」
「ひみつ?」
(あなたの答えに豹馬は一瞬固まり、眉をひそめる)
「おいおい、なんだよそれ。俺に隠しごとか?」
(冗談めかして言うが、どこかムキになっている様子)
(あなたの赤い顔と笑う姿を見て、余計に気になってしまい、さらに問い詰めるように)
「ひみつってことは、俺が知ったらまずい相手か?それとも…まさか、あいつじゃねぇよな?」
(鰐間計助の名前を匂わせつつ、不安げに眉を寄せる)
(でも、あなたの反応を見てから、少し肩を落としつつ目をそらし)
「ま、別にいいけどな。誰だか知らねぇけど、そいつがあなたを泣かせたり、傷つけたりしたら許さねぇからな。」
(それでも引き下がりたくないような小声でつぶやく)
「…俺、気になって仕方ねぇんだけど。」
あなたはちょっと笑って
「ヒントになるかわかんないけど、私、幼稚園の時からずっと好きなんだぁ」
「幼稚園の時から?」
(豹馬はあなたの言葉を聞いて、一瞬ぽかんとした表情になる)
(すぐに思い返すように目を細めて、幼稚園の記憶をたどる)
「幼稚園って…俺らが一緒だったときだろ?まさか…」
(あなたをじっと見つめ、少しだけ戸惑いながら)
「…え、それって…俺の知ってるやつなのか?それとも…」
(考え込みつつも、あなたの表情を見てどこか胸がざわつく豹馬。声を抑えきれずにさらに問いかける)
「おい、もっとちゃんと言えよ。それ、俺に関係あるやつなのか?」
(自分でも焦っていることを感じながら、じっとあなたの目を見る)
あなたはくすくす笑って
「もうこの話終わり!絶対言わない」
「おい、ちょっと待てよ!」
(あなたのくすくす笑いに、豹馬は思わず声を上げる)
(腕を組んで、納得いかないような表情をしながら)
「絶対言わないって…なんだよ、それ。俺、ここまで聞いたら気になって仕方ねぇんだけど!」
(あなたの笑顔を見て、ふっと眉間のしわが緩むが、それでも負けたくないように顔を近づけて)
「いいのか?俺、しつこいぞ。言うまでずっと聞くからな。」
(でも、あなたが楽しそうに笑っているのを見ると、少し肩を落としてため息をつく)
「…ったく、なんでそんなこと隠す必要があるんだよ。」
(少し照れくさそうに目をそらしながら、ポケットに手を突っ込んで歩き出す)
「まぁいい。どうせそのうちボロ出すだろ。そんときは覚悟しとけよ、あなた。」
(振り返らずに、少しだけ耳が赤いまま歩き続ける豹馬)
夏休み。みんなが楽しく遊んでいるというのに、豹馬はずーっと夏合宿だ。サッカーは好きだし合宿もまぁまぁ充実しているのだが、あなたに会えないのだけ寂しい。
(合宿所のベンチに座り、汗を拭きながら水を飲む豹馬。ふと、空を見上げて小さく息をつく)
「はぁ…みんな遊んでんだろうな、今頃。俺はずっとサッカー漬けか。」
(独り言を言いながら、タオルを頭にかぶる)
(でも、頭に浮かぶのはあなたの笑顔。あの「ひみつ」の話や、アイスを食べていたときの姿がちらついて、思わず苦笑する)
「…つーか、なんで俺、こんなにあなたのこと考えてんだ?」
(ポケットからスマホを取り出し、あなたの連絡先を見つめる)
「連絡してみっか…。いや、でも忙しかったら迷惑だしな。」
(何度も迷いながらも、結局メッセージを打ち始める)
「よ、あなた。夏休み楽しんでるか?俺は合宿でヘトヘトだわ。あなたはちゃんと休んでんのか?…和菓子食べすぎてないか?」
(送信ボタンを押したあと、スマホを置いてため息をつく)
「俺、なんか中学生みたいなことしてんな…。」
(遠くからコーチの声が響き、練習再開を告げられる。豹馬は立ち上がり、スマホをポケットにしまいながら)
「ま、返事来たらラッキーだな。」
(あなたのことを思い浮かべながら、再びグラウンドへ向かう)
練習が終わってラインを見て、豹馬はちょっとびっくりして、同時に苦笑した。あなたの返信は一件
「ダイエットしてるもん!豹馬もがんばってね」でも、返信を悩んだのであろう送信取り消しが3件もある
(練習を終えて汗だくのままスマホを取り出し、あなたからの返信を確認する豹馬)
「…ダイエット?」
(メッセージを読んで眉をひそめるが、その後に「送信取り消し 3件」という表示に気づいて目を見開く)
「おいおい、なんだよこれ…悩みすぎだろ。」
(苦笑しながらあなたの姿を想像して、少しだけ微笑む豹馬)
(メッセージを打ちながら、なんとなく彼女をからかいたくなる)
「送信取り消し3件もあるんだけど、何送ろうとしてたんだ?めっちゃ気になるわ。素直に教えろよ、あなた。」
(送信したあと、ベンチに座りながら空を見上げてつぶやく)
「…ほんと、あいつ何考えてんだか。」
(でも、どこか楽しそうな表情を浮かべる)
「…ま、俺も人のこと言えねぇけどな。」
あなたは既読は10秒で付けたくせに、返信を送ってよこしたのは2時間後。悩みすぎていて笑うしかない
「なんでもない!誤字しただけー」
(2時間も待った後に届いたあなたの返信を見て、豹馬は呆れたように苦笑する)
「なんでもない、ねぇ…。」
(スマホを見つめながら、あなたの焦っている顔を想像してふっと笑う)
(そのままメッセージを打ち始める)
「2時間も悩んでそれかよ。誤字で送信取り消し3回とかある?絶対なんか隠してんだろ、あなた。」
(送信ボタンを押して、少し満足げな表情を浮かべながら腕を組む)
「…さて、どう返してくるか。」
(その後、スマホをポケットにしまいながら、立ち上がって練習場を後にする)
「ほんと、めんどくせぇけど…嫌いじゃねぇんだよな、こういうの。」
あなたはまた数時間後、「やだ、恥ずかしいし。隠してないってば、もう笑笑」
(あなたの返信を見て、豹馬は思わず吹き出す)
「やっぱ隠してんじゃねぇかよ。」
(苦笑しながらスマホを手に取り、すぐにメッセージを打つ)
「はいはい、隠してないねー。けど、隠したいってことは、やっぱ俺が聞いたら面白いことなんだろ?」
(少し間を置いて)
「ほら、素直に言っちまえよ。別に俺しか見ねぇんだからさ。」
(送信ボタンを押して、頭をポリポリかきながら独り言)
「なんでこんなに気になんだろな…。ま、あいつが悩んでるとこ想像するのも悪くねぇか。」
(どこか楽しそうな顔で、ベッドに横になりながら次の返信を待つ豹馬)
あなたはしぶしぶ返事した。
「最初、『合宿いつまで?』って送ったんだけど、そういえば夏ずっとって言ってたなって思い出して…そのあと、『会えなくて寂しい』って言ったけど、なんか、言いすぎたなって思って、それで『早く豹馬に会いたい』って書いたんだけど、逆に悪化したなって思って消した笑」
(あなたの長い返信を読み終えた瞬間、豹馬はスマホを持ったまま固まり、次第に顔が赤くなる)
「…は?」
(頭の中で繰り返される「会えなくて寂しい」「早く会いたい」という言葉に、完全に動揺する)
(少ししてから、額に手を当てて小さく笑いながら)
「…何、素直に言ってんだよ。こっちまで変に意識するだろ。」
(しばらく考え込んだ後、スマホを持ち直しながらメッセージを打ち始める)
「なんだそれ、全部かわいいじゃねぇか。最初から送ってくれりゃよかったのに。」
(少し間を置いて)
「俺も…会えねぇの、ちょっと寂しいけどな。」
(送信ボタンを押した後、手のひらで顔を覆ってぼそっとつぶやく)
「…ったく、俺まで恥ずかしくなってんじゃねぇかよ。」
(それでも、自然と口元が緩んでしまうのを隠せず、苦笑いを浮かべる豹馬)
「早く夏終わんねぇかな。」
あなたからの返信がさらに追い打ちをかける
「花火大会、一緒に行きたかったのに。」
(あなたの返信を見て、豹馬は一瞬言葉を失う)
「花火大会…?」
(声に出して読み返し、胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚に襲われる)
(スマホを握りしめて、深く息をつきながらメッセージを打ち始める)
「それ、俺も行きたかったわ。」
(少し迷って、指が止まるが、結局そのまま続ける)
「来年は絶対一緒に行こうな。約束だ。」
(送信してから、スマホを握ったまま天井を見上げて苦笑いする)
「なんだよこれ…来年とか、俺が約束守れんのかよ。」
(でも、あなたの寂しそうな声が頭の中で響いて、もう一度強く心に決める)
「絶対行く。どんなに忙しくても、どんな状況でも…あなたとの約束だけは守る。」
(その言葉を胸に刻みながら、スマホを置いて横になる豹馬)
「来年まで待ってろよ、あなた。」











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。